ふれあいあごら

ふれあい あごら

命を守る!人権を守る!
コロナ禍の今こそ暴力をなくす取組を!

2020年1月、中国武漢でコロナウイルスによる感染症が発生して、丸3年が過ぎた。ヨーロッパでスペイン風邪が流行し、終息するのに3年間要したことを考えると、まだまだ先の見えないコロナウイルスの終息は、更に時間を要すると予測される。
現在、私たちの暮らす地球は先行き不透明な時代である。誰もが予想しなかった事件、災害も後を経たない。コロナにより、儲かったという業界もあるが、わが国の一般市民としては生活が楽になったという実感はなく、電気、ガス、水道、食料品の高騰により、支出は増えるが、給料は上がらず、厳しい経済状況にある。
そんな背景も要因となって、近年、家庭内暴力(DV:ドメスティック バイオレンス) が増加中だ。令和2年、内閣府の調査によれば、配偶者からの身体的暴行、心理的攻撃、経済的圧迫又は性的強要のいずれかを受けたことが「何度もあった」とする者の割合は、女性10.3㌫男性4㌫、1度でも受けたことがある者の割合は、女性25.9㌫男性18.4㌫であった。
女性の10人に一人が複数回DVを受けており、女性の方がより多く被害にあっているということが言える。更に令和4年度男女共同参画白書(内閣府発行) によると、令和2年度DV相談件数は18万2188件となり、令和元年度と比べ1.5倍増加している。
私の暮らす市川市でも、DV相談件数は令和3年度は、前年比1.4倍と、国と同様の傾向がみられる。千葉県によると、県内市町村のDV相談件数は、この5年間で2割増えているという。特にコロナにより外出しづらいことからか、対面での相談は減少し、電話相談の伸びが顕著で、約7割を占めている。

そして注目すべきは、DVが発生している家庭の約4割で、児童虐待が発生しているという点である。特に子どもの前でDVをする、面前DVが多く、子どもの心に傷を残し、後々まで引きずることからその人の人生に影響を与えている。
このような状況を鑑み、千葉県では令和4年4月よりDV相談と児童虐待相談の窓口を一本化した。現在は、かつてのDV対策班が児童家庭課に異動、すぐ隣にデスクを配置し、相談しながらスピード感を持って対応にあたっている。また、合同で研修や広報啓発を行っており、そのメリットは大きいという。
昨年11月千葉そごう前で行われた、県主催のDV児童虐待根絶キャンペーンに参加した。毎年参加してグッズを配布したりしてきたが、今回は特に活気を帯び、女子大生も参加して、警察、県のDV対策チーム、児童虐待対策担当の連携が印象的であった。
少しでもDVや児童虐待を無くすには、今後は「行政が、いかにスムーズに連携できるか」が鍵ではないだろうか。令和4年11月末日現在、県内54市町村のうち、窓口を一本化しているのは31市町。行政の大きな使命である「市民の命を守る」取り組みに、今こそパワーアップした態勢で対応し、一人でも多くの女性や子どもを救えるよう、願って止まない。相談窓口を未だ一本化していない地元市へは、その重要性を訴えて、連携強化を後押ししていきたい。(市川市議 石原みさ子)。
■DV被害の電話相談窓口は県内各自治体にある。男性からの相談は各保健所。女性の場合、24時間365日対応の、千葉県女性サポートセンター☏043・206・8002。