共生社会の実現を目指して 宮本亜佳音さん NPO法人「わっか」理事長 八千代市

ちば湾岸エリア

多様性と互いを尊重し合いながら共に生きる共生社会の実現を目指し、地域コミュニティづくりと子育て支援を行っている八千代市のNPO法人「わっか」。宮本亜佳音理事長に話を聞いた。
「わっか」の活動を始めたのは2011年、2016年に法人化した。「活動のきっかけは息子。生まれたとき、体毛の色素が薄く、小学校に入ると、上級生に染めてるんじゃないかといじめられた」。
いじめなどの根本は「知らないことにあるんじゃないか」と思った宮本さんは「多様性を自然な形で身近に感じて受け入れながら生きられる場所を作ることで、子どもたちが自分で気づくきっかけを作っていこうと思った」と話す。
先ずはフリーペーパーで、いろんな生き方、働き方の人がいることを知ってもらうことから始め、その人々にリアルで会えるマルシェ「ヤルシェ」を「道の駅やちよ」の「やちよ農業交流センター」で開催。その活動の中で、農家の高齢化により、生産した野菜の運搬が困難になっていることを知り、販売者が農家に集荷に行くシステムを作った。
昨年5月には、米本団地の銀行が撤退した空き店舗に、あらゆる世代、多様な立場の人々が自然に近くで過ごすことが出来る場所「NEIGHBER FOOD PLACE」がオープン。
「団地などで子どもの声がうるさい、という声を聞くこともあるが、その人たちは、子どもが近くにいた日々を忘れているんですよね。日常の中でシニア世代とママさん、子どもが近くで過ごすことで視野が広がって、生き方も豊かになると思うんです」。
ここでは、地元農家の野菜販売も行い、売れ残った野菜で惣菜を作り、宅配で販売。売上金の一部を困窮家庭への支援にあてる。また、見た目の問題だけで廃棄される野菜を、生活が苦しい子どもたちの食卓に届ける支援も行っている。
2021年からは米本小学校で週一回、家庭で朝食をとるのが難しい児童たちに朝ごはんを提供。小学校が昨年3月に閉校になった後も活動を続けている。
多くの活動が「わっか」になって繋がり、循環していく中、「だれもが、まるごと受けとめられる社会」を目指して、宮本さんは今日も活動を続ける。
▼問☏047・489・5104(NPO法人「わっか」。
http://wacca-with.org