番外編(東京都千代田区) 神保町古書店巡り
古書が好きだ!快晴の日の午後、神保町古書店街へ行ってきた。涼しくなり絶好の散歩日和。
JR御茶ノ水駅下車、駿河台下へ出ると、古色蒼然とした、古書の森の入口だ。老舗の八木書店、悠久堂書店、小宮山書店を横目で見ながら、どこへ入ろうかと迷う。
古風な店構えの大久保書店に誘われるままにすーっと入った。ひと通り店内を見て、「ガリバー旅行記」の表紙絵が気に入ったので購入。絵画収集が趣味の私は、ついこのような書籍に惹かれる。
女性オーナーに、何年ぐらい営業しているのかと話しかけた。「100年以上。戦争時、米軍はこの地域に爆弾を落とさなかったので、この並びの古書店はみんな長くやっている。新型コロナ禍の期間中に閉店した店があった。最近は飲食店が多くなってきた」とやや寂し気だ。
隣の澤口書店の店頭を見ると、洋書や中国書の他、こけしもあり、訪日客が手に取り珍し気に眺めている。2階では自販機で珈琲が飲め、ひと休み出来る。膨大な書物の森で本を探そうとすると、目と足、頭までもが疲れるのだ。
神保町はカレー店が多い。「神田カレーグランプリ優勝」という看板を見つけて「日乃屋カレー店」に入り、カツカレーを食べて、腹が落ち着く。
外へ出ると隣に珈琲豆を販売している「豆虎(まめとら)」あり。焙煎した豆のいい香りが漂っている。ブラジルベースでビターな飲み口の「神保町ブレンド」を購入。
ベンチで珈琲を飲んでいると「スマホの短文に慣れてしまうと、紙の本の長い文章を読まなくなる・・・」という、通行人の会話が耳に入る。本の街ならではの情景か。
コーヒーブレイクの後、気になっていた一棚一棚に店主が異なる共同型書店「パサージュ・ソリダ」に入った。こちらは3号店。ブルーの天井と白い棚が新鮮だ。ここでは「マイクロライブラリー」という本を購入。すずらん通りの1号店にも足を運ぶ。店内で見つけた「バベルの図書館」シリーズ全30巻が素晴らしく、感動する!
もう一度靖国通りへ戻り、古書街を彷徨う。神田古書センターの5階「薫風花乃堂」鉱物と古物の店に潜入。この店は以前から気になっていた。糸魚川産翡翠(ひすい)が輝いている。
地上へ降りる。矢口書店の外壁の棚も、いつも通り圧巻である。どこまでも続く古書の道。
すぐ近くに「BOOK HOTEL神保町」が現れた。読書するために泊まるホテル。本の世界に存分に浸ってほしいというコンセプトらしい。
書店は年々減り、経営が厳しい状況にあるが、シェア型の本屋やブックホテルといった新しい発想のもとに作られた「場」が出現しているのはうれしい。
100年以上続く古書店とこれらが共存している神保町という街の奥深さが伝わってきた。
◆自由気まま散歩データ。今回の散歩データは約2キロ、2時間。