K太せんせいの放課後の黒板消し67

K太せんせいの「放課後の黒板消し」

 文学の窓〈漱石山房記念館〉

文豪夏目漱石が生涯最後の9年間を過ごし、『三四郎』や『こころ』を執筆した自宅跡地に、漱石生誕150年を記念して、2017年、ガラス張りの美しい「新宿区立漱石山房記念館」が開館しました。

書棚や調度品など、忠実に再現された「漱石山房書斎」や「ベランダ式回廊」。庭には漱石が好んだバショウ(芭蕉)などが植えられていて、漱石が見ていた世界に入り込むことが出来ます。

通常展示では文学館らしく漱石の生涯や人物像が分かりやすく紹介されています。さらに、生まれも育ちも終焉までもが「新宿」であった漱石とこの街との関わりなどもわかりやすく説明されています。もちろん、文学館の役割である「漱石関連の所蔵品」の収集や保管、展示も行われていて、書簡や自筆原稿など貴重な品々に接することが出来ます。

文学館は展示だけでなく、様々な企画やイベントを催して私たちの知的好奇心を満たしてくれます。今夏も「ミステリークエスト~夏目漱石からの挑戦状 Ⅳ~」や「夏休み子ども講座~読書感想文の書き方」、「漱石作品の朗読会」や「絵本・絵巻・挿絵にみる『草枕』~ギャラリートーク」など目白押し。近年では文豪をテーマにした人気漫画とのコラボレーション企画も人気を博しました。

なお、併設されているブックカフェ「CAFE SOSEKI」やミュージアムショップのグッズもおすすめです。特に『吾輩は猫である』に登場する「空也のもなか(作中では空也餅)」のセットは美味で、作品世界に浸れられる逸品です。

記念館の外壁はつる植物で壁面緑化されていて、目に涼しげな光景です。周囲には「夏目坂」や漱石の生家跡、作品に登場する神社仏閣などがたくさんあり「周辺まち歩きマップ」も用意されています。館内見学の後、漱石が暮らした街を散策してみるのも良いでしょう。

■K太せんせい

現役教師。教育現場のありのままを伝え、読書案内なども執筆する。