2022年は皆さんにとってどのような年でしたか?
私たちにとっては、Covid‐19への対応によって医療体制への影響が甚大だった中で、それでも脳卒中患者さんの受け入れは絶対に止めてはいけない、という使命感で全力疾走し続けた1年間でした。病院が多くある地域でも脳卒中の搬送先を見つけるのが困難となり、かなり遠方から搬送される方も少なくありませんでした。
「ホットラインの連絡は絶対に断らない、連絡と同時にチーム全体がスタンバイする」という方針を一度も崩さずに対応を続けている当院のスタッフには相当な無理をお願いしていますが、年間600件以上の脳卒中緊急入院を診療し続けるチームには最大限の感謝と敬意を抱くとともに、誇りに思っております。
私たちは「世界最高水準を柏で」というモットーを掲げていますが、これは私の師匠である上山博康先生の「俺たちが諦めたら誰が救うんだよ」という哲学をこの地で形にしたいという覚悟の表現でもあります。
ただ、良い医療というのは病院だけでは成し遂げられず、市民の皆さんの意識改革も重要です。少しでも健康的な生活のために考える時間を増やして頂きたいという思いでこの連載を行っております。
脳卒中に関しては、私からお伝えしたいことは2つです。「メタボ対策とドックの検査で予防ができるものが多い」ということと「もしおかしなことがあったら、ためらわずに救急車を呼んで欲しい」ということです。
こうしたことが皆さんの生活の中で「常識じゃん」と思っていただける日が来るまで私たちは活動を続けます。辛い思いをする患者さんやそのご家族が減って、そして医療資源や医療費・介護費の負担軽減に繋がって、誰も嫌な思いをしない改革です。
親戚や友人と集まる機会の多いこの季節、今一度、健康について話し合っていただけると嬉しいです。
社会医療法人社団蛍水会 名戸ヶ谷病院脳卒中センター(新柏駅から徒歩約7分)
☎04・7167・8336