頭痛の原因 

名戸ヶ谷病院 脳卒中センター
名戸ヶ谷病院 脳卒中センター・センター長 脳神経外科部長 井上 靖章

 脳卒中のひとつである くも膜下出血は頭痛で発症することが多い病気です。

「突然頭を強く殴られたような痛み」を感じることが典型的ですが、比較的軽微な頭痛ですむ患者さんもいます。普段感じたことのない頭痛がある場合は病院で検査を受けるようにしましょう。


 私たちの外来には毎日たくさんの方が頭痛を訴えていらっしゃいます。日本人は3人に1人が頭痛持ちというデータもある程よくある症状の頭痛ですが、実は脳卒中や脳腫瘍などの怖い病気が原因であることはそんなに多くはありません。

 CTやMRIの検査をしないと白黒つけられないので病院を受診するのをおすすめしますが、今回は頭痛の原因としてよくあるものをご紹介します。


 一番多い頭痛は緊張型頭痛と呼ばれるもので、次は片頭痛です。このふたつが大部分を占めていて、その他には群発頭痛、三叉神経痛、後頭神経痛などがありますが、緑内障など目の病気や虫歯、副鼻腔炎などが原因のこともあります。私たち専門医は頭痛の性質を問診や診察を通じて評価することでどのタイプなのかを診断します。複数の頭痛が重なっている場合もあります。


 緊張型頭痛は、頭や首、肩などの筋肉の張りや痛みを頭痛と感じているもので、広い意味の「肩こりによる頭痛」と考えていただければわかりやすいです。特殊な治療があるわけではなく、姿勢改善やストレッチ、気分転換などがよく効きます。


 片頭痛は若い人の頭痛で見落とされがちなので注意が必要です。「学生の頃からずっと頭痛持ち」のような方も片頭痛の可能性があります。頭が痛いせいで仕事や対人関係などに支障をきたしているのを「性格」と片付けられていることもあります。最近は予防の薬も素晴らしいものが出てきており、3ヶ月に1回注射するだけで人生が変わった、と表情が明るくなる患者さんも経験します。


 頭痛は辛い症状です。お困りの方、心配な方は専門の医師にご相談ください。


社会医療法人社団蛍水会名戸ヶ谷病院脳卒中センター(新柏駅から徒歩約7分)
☎04・7167・8336