だんだんと秋を感じられるようになってきましたね。秋の名物である金木犀の香りも皆さまのところに、そろそろ届くころでしょうか。
今回ご紹介する作品は、実在の人物をモデルにしたハートフル・ムービーです。
オハイオ州の小さな町にある老人ホームに、パトリック・ピッツェンバーガーはいる。
ヘアメイクドレッサーとして活躍していた時には “ミスター・パット”として皆から愛されていたパットであったが、今では現役生活から退き静かな余生を送っていた。
そんなある日パットの心を揺さぶる出来事が起きる。かつての顧客で友人でもあったリタが亡くなり、「パットに死化粧を」と遺言を残していた。しかし、パットはリタへの複雑な思いから申し出を断ってしまう――。
パットを演じるのは、ドイツ出身でハリウッドでも活躍する世界的名優ウド・キアーです。強烈な個性はそのままに、共感を誘う名演技を披露します。
また、サウンドトラックも魅力的な作品です。『変わることの大切さ』、 『変わらないものの喜び』を私たちに教えてくれる、そんな映画をぜひキネマ旬報シアターでご覧ください。(富さや香)
(10月1日㈯~14日㈮公開)