ぶらり川めぐり
ゆったり楽しむ水上散歩
印西市
印西市観光協会の主催する「ぶらり川めぐり」に乗船してみた。
黄色いライフジャケットに身を包み、1時間の小さな船旅に出発!乗客の他、船頭さんと案内の人を乗せた船は小気味よいエンジン音を響かせてゆっくりと水路を進んでいく。
今回の案内は菅笠に法被を颯爽と着た女性だ。心地よい川風を感じながら、案内人の説明に耳を傾けていると、アオサギが石の上で凛々しい姿を見せてくれた。カワウや日向ぼっこをするカメの姿も見える。川面を覆っている一見可愛らしい水草はナガエツルノゲイトウ。繁殖力が強すぎて、面倒を引き起こす厄介な水草だそう。
成田線の陸橋を下から見上げるという、ちょっと貴重な体験をして手賀川に出ると、川幅が少し広がってきた。土手の上から、散歩中の人や工事現場へ向かう職人さんが笑顔でこちらに手を振っている。
途中で案内人の方が『印西音頭』を歌ってくれるというサービスに、船旅は盛り上がりをみせる。のんびり気分で景色を楽しんでいると、エンジン音に驚いたハクレンが水面で大きく跳ねた。それを見てこちらもビックリ。
下手賀川を進み、発作橋(ほっさくばし)付近へ。優雅に泳ぐたくさんのコブハクチョウ達が姿を見せる。コブハクチョウは渡らないため、一年中印西で生息し、春には子ども連れで泳ぐ微笑ましい姿も見られるという。みんなスマホ片手に撮影に夢中。ただ、外来種のコブハクチョウは、周辺農地への食害、遊歩道で歩行者がヒナに近づいて威嚇されるといった事例があるという。船は六軒川を通って船着き場へと向かい、小さな船旅は終わる。
「野鳥がこんな近くで見れて驚いた。こんな所があるのは知らなかった」と、印西市在住の親子連れ。のどかな風景を楽しみながら、水鳥や魚たちと一緒に過ごした一時間の船旅が、今までニュータウンのイメージしかなかった印西市には、まだまだ残っている豊かな自然がたくさんあったことを気づかせてくれた。
この付近は、その昔木下河岸(きおろしがし)として江戸から明治にかけて賑わいを見せた地域だそうだ。川めぐりだけでなく、近くの観光名所をぶらぶらしながら川魚料理をいただき、老舗の煎餅屋さんでお土産を買って帰る、なんていう、もう一つのゆったり散歩もいいんじゃないかな。
▼『ぶらり川めぐり』周航期間:4月上旬~11月下旬まで。
▼料金:大人1000円、小学生600円。
▽「乗船の予約と当日問い合わせ」:印西市観光情報館 ☎0476・45・5300。
▽問い合わせ:NPO法人印西市観光協会事務局。☎0476・42・7530(月・水・金曜日9時~16時)。