書の力

ふれあい毎日連載

書の力 第二十八回

「五月雨五句」 正岡 子規 明治34年 一幅 35.0×47.4 紙本墨書 今、私たちは困難に直面することで「生きること」を実感します。この作の筆者である子規は筆まめなことでよく知られますが、苦しい病を療養する唯一の方法...
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書の力 第二十七回

隅寺心経(すみでらしんぎょう ) 般若心経  伝空海 奈良時代 紙本墨書 25.6×43.1 一幅 最近、いら立ちや悲しみごとはありませんか。そんな時には「写経」です。悩み多き現実から離れて心静かに紙に向かい、一点一画...
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書の力 第二十六回

【作品】 題雛図(ひなず) 阪 正臣(ばん まさおみ)<1855-1931> 一幅 紙本墨書 131.8×33.3㎝ 阪正臣(ばん まさおみ)(1855-1931)は宮内庁内で和歌に関する業務を行う、御歌所(おうた...
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書の力 第二十五回

豪彊(ごうきょう)尾崎 邑鵬(おざき ゆうほう)(1924-)紙本墨書 一幅 54.0×110.1㎝ 令和4年  大正13年京都府宮津市に生まれた尾崎先生は、幼少の頃から書に親しみ、北魏(ほくぎ)からはじまって明清時代の倪元...
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不動明王図

狩野 一信(かのうかずのぶ)<1816-1863> 江戸時代  成田山書道美術館蔵 幕末にもっぱら仏画を描いて功徳(くどく)を積んだ絵師がいます。近年評価の高まる狩野一信です。増上寺に伝わる「五百羅漢図」百幅(4幅は妻と弟子に...
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書の力 第二十三回

伝光明皇后筆 蝶鳥下絵経 装飾法華経譬喩品第三  平安時代 彩箋墨書 23.9×18.4㎝ 香紙(こうし)(丁子(ちょうじ)などで染めた紙)の料紙(書に用いる装飾加工紙)に、金銀を主に緑青泥を用いて蝶、鳥、草花、折枝な...
アート

書の力 第二十二回    2022年11月号

唐 昇仙太子碑(しょうせんたいしひ)  1帖 拓本 表具寸法31.7㎝×18.6㎝ 唐の則天武后(そくてんぶこう)が遺した「昇仙太子碑」は行草の書体を用いていて、長い間行書、草書の書体に親しんできた日本人にも違和感なく鑑賞する...
アート

書の力 第二十一回

「眠雲臥石」 貫名菘翁(ぬきな すうおう) 二曲半双 紙本墨書 安政4年(1857) 各130.0×62.1㎝ 貫名菘翁(ぬきな すうおう)(1778-1863)は、江戸時代後期に儒者、書家、画家として活躍し、書においては市河...
アート

書の力 第20回

書の力第20回 「二三日」 今関 脩竹(いまぜき しゅうちく) 昭和57年 かな書展 一面 70.0×70.0 どこか寂寥感の漂うこちらの「二三日掃かざる庭の椎おち葉」(高浜虚子の句)。初夏に落葉する椎おち葉が季...
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書の力第十九回   8月号

香川(かがわ)松石(しょうせき)(1845-1911)『躍龍』1904年 136.8×67.3㎝ 紙本墨書 1幅 成田山書道美術館 たっぷりと墨を含ませた筆を躍らせながら辰年の元旦に書いたこの作品は、潤いのある墨色と、言...
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書の力 第十八回

伝宗尊親王筆 有栖川切 元暦校本万葉集 一幅  平安時代 紙本墨書 24.5×16.4 七月七日は七夕です。これは平安時代に書写された万葉集の一部で、七夕の歌を書いた部分です。もとは糊綴じ(のりとじ)の冊子本でしたが切断されて...
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書の力 第十七回

「書心画」 中野越南  一幅 紙本墨書 61.2×127.0㎝ 成田山書道美術館蔵 「書は心画なり」という前漢の学者揚雄(ようゆう)のことばは、書には書き手の心が表れることを意味します。 この作品を書いた中野越南(...