文部科学省の、令和4年度(2022年)の調査では、全国の小・中学校で年間30日以上欠席した不登校の子どもたちは、約30万人と過去最多となりました。
千葉県、及び市川市においても同様で、不登校の子どもは、増加傾向にあります。そこで市川市教育委員会は、小学校内に不登校の子どもたちが安心して継続的に利用可能な居場所を確保し、適切な支援を行いながら学びの保障を実現していくことを目的に、これまで支援策の検討を重ねてきました。
そして令和6年には、モデルとして市内6校で、校内教育支援センター「スペシャルサポートルーム」を設置し、令和7年の本格事業に向けて、研究検討していきます。
国から令和5年(2023年)10月、校内に居場所を作るよう通達を受けたことも、後押しとなりました。具体的には、「スペシャルサポートルーム」は、登校しても自分の教室に入れない児童や、気持ちを落ち着かせたい時に使える部屋として、授業の行われる日は毎日開設し、児童の状況に応じながら、スタッフによる相談や学習のサポートを行います。
今年度は市川市独自に配置しているゆとろぎ相談員を中心に運営していきますが、来年度は全校に広げることを目指し、質の高い人材の確保、設置場所の確保等、課題について検討を進めていく予定です。
また、NPO法人やフリースクール、親の会等の関係機関と市が緩やかなネットワークを構築し、情報共有をはかり、連携を強化していくため、連絡会の実施を計画しています。
まだどこにも繋がれず、相談出来ないで苦しんでいる多くの不登校の子どもたち、保護者と繋がってゆくきっかけとしても役割を果たしてくれると考えます。この新しい市川市の試みに、大いに期待したいと思います。
不登校の相談は、各自治体の教育センターまたは「子どもと親のサポートセンター」(千葉市稲毛区) ☏0120・415・446まで。
(市川市議 石原みさ子)