市民の生命を守る 保健所を持つことのメリット

ふれあい あごら

「新しい生活様式」という言葉をよく耳にするようになった。千葉県の緊急事態宣言は、東京都や神奈川県、埼玉県など7つの都道府県と共に、全国で最後の解除となった。そして多くの小学校、中学校では3カ月間の休業後、6月初旬から分散登校を経て、中旬には通常登校へと切り替わり、最近給食が始まったばかりである。

  私たちは今もなお、手洗いとうがいをよく行い、1日一回は検温をし、換気を頻繁に行い、外出の際はマスクをして、ソーシャルディスタンスを保つよう努めている。

新型コロナウイルスの終息は未だ見えず、第二波の怖れも抱えている。まさしく、私たちの生活は、ウィズコロナの時代を迎えたと言えるだろう。

この間、いくつかの病院や高齢者介護施設等では、クラスターが発生、私の住む市川市では5名の方が亡くなられた。感染者の情報については、地域の中でもっと詳しく発表してほしいという声、指摘が度々寄せられた。

特に医療機関で働く人や子育て中の人の心配、不安は大きかった。

さて、皆さんはご存じだろうか。今回のような感染症が発生した場合、その公表や調査、対策を積極的に講じることができるのは、保健所を設置している政令市、中核市と人口20万人以上の保健政令市の3つであることを。その他の市町村は県に準ずるしかなく、全ては県からの情報が頼りとなる訳だ。

県内の、保健所設置市町村は3つ

千葉県では政令市の千葉市、中核市の柏市、船橋市は保健所を持つが、例えば市川市では県に協力する立場であり、千葉県の発表、要請待ちであった。市川市は過去に何度となく中核市への移行について議論されてきたが、県から委譲される事務量の多さ、人材の育成を理由に進んではこなかった。

しかしながら、今回のコロナウイルスの対応に対して、保健所を持たないことのデメリットが浮き彫りとなり、その議論は再燃している。もし保健所が設置された場合、市内での感染症発生に対し、自ら調査、指導、措置する権限をもち、PCR検査や軽傷者専用ホテルの配置など、スピード感をもって対応できるようになる。感染の状況や医療機関の状況に関しての情報も、早く多くを入手できる。そして、詳細な情報をもとに、早期に応援体制を整備し、相談窓口の開設や適切な患者の移送につながるなど、市民にとってのメリットは大きい。

保健政令市は開設までの準備に4年、中核市は7年の時間を要するという。今こそ、長年先送りしてきたこのテーマに向き合い、議論を深め、政策を実現していくべきだろう。

市川市は、まずは中核市市長会へのオブザーバー参加を行っていく予定だ。中核市は県から約2500件の事務を委譲され、そのうち保健衛生に関わる事務が6割を占める。コロナ禍の今、市民の生命、安全を守るため、行政の中でも最適な方法が模索、検討され始めている。(市川市  石原みさ子)

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