話し合いの上にふたりの人生

子どもの広場 ゆうび

 ゆうびの元学園生同士、里さん(女性)と竜くん(男性)が結婚しました。そのニュースに沸きに沸いたゆうびの面々でしたが、さらに話題になったのが、結婚した2人が里さん、つまり女性側の姓を名乗ると決めたということについてでした。


 小さな子どもたちは自然に「そういうものか」という感じに受け止めていました。一方で大人や若者たちは「えっ!そうなの…」と驚く反応の人が多く、「へー、なんで?」と聞く人もいました。
 竜くんにいきさつを聞いたところ、「結婚したら妻の実家に一緒に住むことになっていて、2人で相談して決めた。一緒に住むお義母さんと一緒の苗字にするのがシンプルな気がして。名義変更にあちこち回ったけど、どの窓口でも『え、男が名前変えるの?』って顔されたよ」と話してくれました。
 私自身は結婚するとき、夫の姓に変えました。その当時はそういうものかと特に何の疑問も持たずに届けを出しました。
 今、改めて考えたとき思うのは、その選択自体はそれでよかったが、それを当たり前のように思わなくてもよかったな、ということです。


 日本は現在、選択的夫婦別姓が認められておらず、結婚をする際、夫か妻かどちらかの姓に統一しなければなりません。実に結婚したカップルの96%が夫の姓を選んでいるそうです(2017年)。
 それ自体はそれぞれの選択なので周囲がどうこう言う問題ではありません。ただ、その選択が、双方が平等によく話し合って決めた結果であるということは重要です。
 姓を変えるのはどちらか、結婚式の挨拶をするのはどちらか、育児休暇をとるのはどちらか…。夫婦の人生には今後、膨大な選択が待っています。


 以前も性的役割について取り上げましたが、「男性だから・女性だから」でなんとなく決まっていっている事柄はまだまだ多い。これからの子どもたち、若者たちには今までの慣習や世間一般の目などに囚われず、自分と相手との関係から生まれる、二人だけの選択をしていってほしいです。


☎04・7146・3501 FAX同7147・1491(NPOゆうび小さな学園 杉山麻理江)