パラリンピック4大会連続出場を狙う ボッチャ界のレジェンド・廣瀬隆喜選手

オリパラ2020
4度目のパラリンピック出場が期待される廣瀬隆喜選手

(東葛まいにち2020.2.26掲載)

廣瀬 隆喜 (ボッチャ選手)君津市出身(写真1)

 日本のボッチャ界の頂点に立つ廣瀬隆喜さんは、4大会連続のパラリンピック出場が有力視されている。「床の上のカーリング」と言われるボッチャは、見る者をも魅了するスポーツだ。

目指せ金メダル 火ノ玉ジャパン

 「床の上のカーリング」とも称される競技がボッチャ。将棋やオセロにも似た頭脳戦が繰り広げられる注目のスポーツだ。バドミントンコートとほぼ同じ広さの室内コートで、最初に投げたジャックボールという白い目標球に向かって青と赤に分かれて投てき。目標球にどれだけ近く投げられるかが勝負の決め手だ。


 北京、ロンドン、リオのパラリンピック3大会連続出場を果たし日本のボッチャ界の頂点に立つ頭脳派プレーヤー廣瀬隆喜選手。彼は、「火ノ玉ジャパン」の一員として東京パラリンピック出場を目指している。


 君津市で生まれた廣瀬選手は、脳性麻痺の障がいを持っている。小学校の体育の時間はいつも見学。中学は特別支援学校へ進みビームライフルをやっていたが、高校へ進学したときに先生から勧められたのがボッチャだった。日本選手権出場を目標に続けていたら、その魅力に惹かれどんどんのめり込んでいった。

座右の銘は「感謝」

 廣瀬選手は、「相手がどこに投げるかどう投げるか、限られた球数で何手も先を読んで勝負することがボッチャの面白さです。前回のリオでは無念の銀メダルでした。現在、日本チームは世界ランク2位。東京では、金を目指します」と熱く語る。
 現在は、総合レンタル事業を展開する西尾レントオールの広報担当としても活躍している廣瀬選手にはコーチングスタッフ、映像分析、コンディショニングケア、広報活動などを行う「チーム廣瀬」が一丸となってバックアップしている。車椅子業界からの支援もある。


 座右の銘は、「感謝」。それは、チーム廣瀬に対してや関わりのある人全てに対する気持ちだ。以前は、障がいを理由に家にこもってあまり外出はしなかったが、今では海外遠征もこなす行動派になったという。「最近は、ボランティアの方のヘルプや福祉タクシーもあるし障がいを持った人が外に出る環境が整っています。外に出て様々な人と交流することでいろんな情報が得られますよ」
 廣瀬選手は、初詣に野田市の神社へ家族と一緒にお参りに行くことが毎年の恒例行事だ。また、松戸の特別支援学校でボッチャ教室に参加して子どもたちに指導をしたこともある。パラスポーツとして始まったボッチャは、今では健常者も一緒にプレーする幅広いスポーツになった。


 観客を晴れやかな気持ちにする廣瀬選手のトレードマーク=「投てき時の雄叫び」を東京パラリンピックで聞けることは確かだろう。
(文=高井さつき/写真1=高井信成)



●ひろせ たかゆき/君津市出身。36歳。北京、ロンドン、リオ3連続オリンピック出場。 西尾レントオール株式会社所属。