千葉県と言えば、四方を海や川に囲まれ、まるで「島」のようなイメージがありますが、東葛エリアに陸続きの県境があることをご存じですか?今月の沿線さんぽは、野田市関宿周辺の2つの県を行き来するお散歩ルートをご紹介します。小旅行気分で訪ねてみてはいかがでしょうか?
今回は最寄り駅となる川間駅からのバスの便が少ないので、車で関宿城博物館まで向かいました。
まずは関宿にこにこ水辺公園を歩きます。博物館と休憩所の間にある道を公園に向かって進むと、例の県境が見えてきました。何と、この公園は野田市と茨城県五霞町にまたがっているのです!県境の上に立つと、何か成し遂げたような気がするのは私だけでしょうか?ちなみに公園内で県境が示されているのはここだけ。「ここは今、どっちの県だろう?」と推理しながら歩くのも面白いかもしれません。
遊具や、お子さんが喜びそうなかわいい動物のオブジェがたくさん鎮座しています。ここでピクニックもよさそうです。
公園を一周した後は、橋を渡り、中の島公園へ。ここの住所は茨城県五霞町。歩き進むと、鉄道橋のようなものを発見しました。こちらは明治時代に総武鉄道の小岩―市川間で横断する江戸川に架設した橋の一部を復元したもののようです。更に進むと、昭和初期に建設された関宿水閘門が見えてきました。既にその役割を終えているようですが、遊歩道として整備されていて、水閘門の上を歩いて江戸川の対岸に渡ることができます。
ここは千葉県?茨城県?それとも埼玉県?と考えながら進むと、「情報・防災ステーションごか」にたどり着きました。ということで、正解は五霞町。ここの床には1日で5県を周るサイクリングルートなどを紹介したマップがありました。ここを起点に自転車で巡ってみるのも面白そうです。なお、南に約2㌔下ると埼玉県幸手市になるようです。
関宿城博物館に戻ってきました。当時の記録をもとに再現された美しい天守閣が印象的です。天守閣の4階部分は展望台となっています。博物館自体が江戸川と利根川の分岐点に整備されたスーパー堤防の上に建てられているため、周辺をぐるりと見渡すことができます。日光連山が遠くに見えました。
博物館は関宿城のほか、江戸川の歴史や関宿周辺で発展した産業などを紹介しています。入ってすぐに展示されている高瀬舟の大型模型は圧巻です。
(写真・文=土肥佳子)
■関宿城博物館
野田市関宿三軒家143‐4 ☎04・7196・1400
開館:9時〜16時30分
閉館日:月(祝祭日の場合は翌日)年末休