Q.私は、お酒が大好きです。毎晩必ず晩酌をします。実は昨年、仕事の疲れや人間関係でうつ病になってしまいました。今は、服薬を続けながら仕事をしています。主治医はできればお酒は辞めた方がいいと言っていますが辞められません。仕事で嫌なことがあるとお酒の量も増えてしまいます。やはり、お酒は良くないのでしょうか?(40代男性)
A.そうですね。主治医が辞めた方がいいとおっしゃっているのですから、辞めた方がいいでしょう。けれど、毎晩飲んでいると習慣になっているのではないでしょうか。また、お酒は依存性が高いので「アルコール依存症」になっている可能性があります。
多少の飲酒ならかえって身体に良いはず、と考える人もいるようです。「酒は百薬の長」(酒はどんな薬にも勝る効果がある)という言葉があります。実はその続きがあり、「されど万病の元」と続きます。身体に良いからと言って飲んでいる人は飲酒の習慣を正当化しようとしているのです。
そもそもお酒とは、アルコールです。アルコールは身体にとって毒なのです。それを解毒(代謝)しているのが、肝臓。大酒飲みが肝臓を悪くするというのはよく聞く話です。晩酌や寝酒は、肝臓にダメージを与えるだけでなく、脳や自律神経にも影響します。
お酒を飲むと脳が麻痺して幸せな気持ちになります。けれど、これは一時的なもの。交感神経が過度に優位になり、自律神経が乱れます。また、利尿作用があるので身体から水分が失われ、血液がドロドロに。
このようにお酒が身体に与える影響は、悪いことが多いのです。さらに、お薬とアルコールを併用すると、両者の血中濃度が高まり薬の作用が強くなってしまいます。
また、メンタル疾患には、睡眠をしっかり確保することが何よりの治療ですが、お酒はそれを妨げます。お酒を飲むと寝入りは良いですが、睡眠が浅くなり中途覚醒をおこし、熟睡感が得られません。メンタル疾患に大切な睡眠が阻害され、病気はなかなかよくなりません。
いざお酒を辞めると手持無沙汰になりそうで…。という方に自分の好きな趣味の時間をゆっくり持つことをお勧めします。例えば、毎晩お酒を飲んでいる1~2時間を好きな読書の時間にする、お風呂が好きなら倍の時間をかけてゆっくり入浴する、食べることが好きなら夕食をゆっくり摂るなどです。
これから年末年始にかけて、お酒を飲む機会も増えますね。この時期にこそ、自分のお酒の飲み方を考える機会にしてみてはいかがでしょうか。
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