キッチンカー「松山珈琲」(八千代市)

おすすめします!このお店

自車焙煎

客船「飛鳥」の元クルーが淹れる香り高いコーヒー

八千代市

自車焙煎珈琲、キッチンカーの「松山珈琲」はJA八千代市が運営する農産物直売所「ファーマーズマーケットよったいよ」に毎週火、木、土、日曜にやって来る。車に焙煎機を搭載していて、自家焙煎ならぬ「自車焙煎」。焙煎が始まると心地いい珈琲のアロマがあたりを包み、買い物帰りに「珈琲で一息ついてこうかな」という気持ちになる。

コーヒーを注文すると、コーヒー豆を挽くところから始まる。「新鮮なコーヒーを美味しく飲んでもらいたくて」と、店主の松山明男さん(72)。松山さんは八千代市在住30年になるが、その内、26年間は実は船乗りをしていたんだそう。なんと誰もが憧れる豪華客船「飛鳥」と「飛鳥Ⅱ」。「だから八千代の事はいまだにあまりわからないんですけどね」と笑う。

もともと旅行業に従事していたところ、有資格者であることから旅行専門学校に招聘され教鞭をとることに。さらに飛鳥就航のタイミングで国内外の旅行に明るい松山さんはクルーに抜擢。そこから26年間、65歳の定年まで船に乗り続けた。

クルーの頃の生活は4カ月乗船して2カ月の休み。この2カ月の休みが松山さんには辛い時間だったとか。「動いていないとダメなんです。ぼーっとできない性分で」。もしかしたら定年後はこんな日々が毎日続くのか、と気づき、在職中から定年後に向けて活動を開始した。

興味のあるものは一通りやってみた。中でも珈琲の焙煎にはまり、陸に上がるたびに学校へ通った。「上級講座まで修了し、キッチンカーのスタイルで今に至ります」と、今もハンサムな船乗りの雰囲気が漂う松山さん。

旅行会社及び船乗り時代に巡った国はなんと105カ国。世界各国の港町で買い集められた貴重な品が「断捨離市」として店頭でフリーマーケットされる事もある。そんな時、ひとつひとつの購入時のストーリーを聞かせてもらうだけで、自分もその港町へ行ったような気分にひたれる。キッチンカー前のパラソルの下で遠い異国へ思いを馳せるひととき。ステキなコーヒータイムだ。

▼「松山珈琲」JA八千代市「ファーマーズマーケットよったいよ」で毎週火、木、土、日曜営業(荒天時を除く)。

問:公式Instagramから。