ふれあいあごら

ふれあい あごら

手話言語の国際デー

9月23日は「手話言語の国際デー」。2017年12月に国連総会で決議された。また、この日は1951年に世界ろう連盟(WFD)が設立された日でもある

今年は世界ろう連盟の「手話言語のためのブルーライトイベント」にあわせ、全国各地の名所や施設では、青色にライトアップするイベントが行われた。ライトアップにより、市民、社会、地域が一つとなって「手話が言語である」ことへの認知を広めることを、目指したのだ。

千葉県では、2016年6月「千葉県手話言語等の普及の促進に関する条例 」が成立、施行された。2022年8月現在、県内で手話言語条例を持ち、その普及促進に取り組んでいるのは、習志野市、浦安市、流山市、八千代市、松戸市、野田市、市川市の7市である。

市川市では、2022年3月、 市川市手話言語条例が、議員発議により全会一致で可決、成立した。10名の議員が所属する健康福祉常任委員会が中心となり、先進市の調査研究や近隣市への視察等約3年間の準備を費やし、タイトル、前文、内容を協議しながら作り上げた。

ろう者当事者にとって、これは悲願であったという。何故なら、市川市国府台には、日本で唯一の国立のろう学校(現在の筑波大学附属聴覚特別支援学校)が設置されており、この学校に全国から児童生徒が集まり、学び、支え合い、社会的自立と自己実現を図ることができる環境が形成されるという、歴史的背景を有する街だからである。

条例の前文には、「誰もが安心して暮らすことが出来る共生社会を実現することを決意し、この条例を制定する」とある。そして第7条には、学校等における手話に接する機会の提供を定めたのが特徴だ。

今後市川市では、ろう者団体の声を受け止め、具体的な取り組みを検討中だ。2018年10月に条例を施行した浦安市では、秋の市民まつりや12月の障がい者週間にあわせ、手話ダンス、手話クイズ、手話体験等を通して、広く市民に啓発活動をしている。

また、小学生向けの冊子を配布し総合学習で学んだり、学校へろう者の方が手話通訳者と共に出向き、出前授業をして交流している。このような取り組みが、ますます前進していくことを、心より願ってやまない。

(市川市議 石原みさ子)

※《手話》こんにちは ありがとう