今回ご紹介するのは、1944年度作品のテクニカラー音楽映画です。原題名の主題歌である“Meet Me in St. Louis (セントルイスで会いましょう)”を始め、20世紀初期の流行歌曲が十数曲使用されています。
セント・ルイスの市民達は皆、自分たちの町に深い愛着を持っており、それはスミス一家も同じである。1903年夏、スミス家の次女エスターは、兄や姉のように恋人が欲しい。彼女は隣に越して来たジョン・トゥルーエットを想っている。エスターはいろいろ画策し、ジョンと親しくなれたが、突然、父のニューヨーク転勤が決まりセント・ルイスを離れなければならなくなった―。
「巴里のアメリカ人」「ボヴァリー夫人」などで知られる名匠ヴィンセント・ミネリの出世作となったミュージカル映画です。
サリー・ベンソンの短編小説を原作に、古き良きアメリカの家庭で起こる悲喜こもごもを、四季の移り変わりとともに生き生きと描き出している作品です。木々の緑も色濃くなってきたこの時期に、ぜひ当館で『若草の頃』をお楽しみください。
(富さや香)