毎月第一日曜開催 次回は12月1日(日)8時~ 市川市
昨年、手探りの中初開催された「いちかわ三番瀬まつり」。そこに集う来場者の笑顔は、普段は引っ込み事案な市川の漁師たちの心を動かし、今年2月、市川漁港に新たな朝市を誕生させた。
「朝市」は毎月第一日曜の朝8時(夏季は7時)から11時(キッチンカーは12時)まで市川漁港で開催されている。発足の動機は、いちかわ三番瀬まつりで、一般消費者が漁師たちの「日常」である水揚げの様子や漁船などを見て喜んでくれて賑わった事。水産庁から水揚げに頼らない「海業(海や地域資源を活用した事業や取り組み。水産、観光、飲食業など)」が奨励されている事もあり、市川市漁業協同組合朝市担当の澤田洋一さん(73)を筆頭に自分たちでもイベントをやってみようという流れになったという。
「漁港朝市」のSNS(X)の運用や朝市の存在が口コミでも広まり、5月のGW開催時は何と600人近くの市民が訪れ、飲食や物販は早々と売り切れてしまったそう。最近はキッチンカーも参加し、さらなる賑わいを見せている。
浦安市や船橋市に挟まれる市川の海。組合長の御代川薫さん(71)は「若い頃に、随分教えてもらったし助けてもらった」と両市への感謝を口にする。実は海の中にも「地名」がある。三番瀬は本来船橋地域の名称であったが、30年ほど前に、船橋漁協の組合長が浦安から茜浜の範囲を三番瀬と呼ぶことを広めてくれていたおかげで現在でもいちかわ三番瀬として恩恵を受ける事が出来ている。
昔は塩田や半農半漁で漁業が本業ではなかった市川漁業の浅い歴史が、かえって開発をそこまで進ませなかった結果となり、漁業権を放棄することなく、現在の市川の漁業に結びついている。
親も漁師で自分もこの道に進んだ及川克己さん(53)は「勉強が出来なくても船に乗ればいいと思っていた」。田山常和さん(51)は「半強制的に」と笑いながら、いきさつを教えてくれた。「ひょっとしたらつらい事の方が多いのかもしれないが、やっぱり海が好きなんだと思う」とシャイな二人は口を揃える。
⚓開催日時:毎月第一日曜8時(夏季は7時)~11時(キッチンカーは12時まで)。次回は12月1日(日)。
⚓開催場所:市川漁港(塩浜1丁目3番地先)。
⚓問☏090・3544・8854 (市川市漁業協同組合朝市担当)
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