コレクション Viewpoint
クリストとジャンヌ゠クロード―包む、覆う、積み上げる
10月3日(日)まで 佐倉市
今年2月から改修工事を行っていたDIC川村記念美術館が7月に再開館した。
今回の改修工事のメインはエントランス部分。建設当初のコンセプトをそのままに、当時と同様の材料を海外から調達し、壁を張替。天井のランプシェード は設計図がなかったので再現するのが大変だったそう。壁材は音や光を吸収する素材なので、静寂の中で心を整えてから鑑賞出来るよう、配慮されている。
現在、同館で開催されているのが クリスト(1935-2020)とジャンヌ゠クロード(1935-2009)夫妻は、世界各地で建造物をシート状の素材と紐で包むプロジェクトなどを実現した芸術家ユニットで、「クリストとジャンヌ゠クロード (Christo and Jeanne-Claude) 」として活動してきた。
自らの考える「ジョイ&ビューティー」の実現を目指し、建造物を包むことなどにより普段の風景を違った視点で見せる。今回の展示は昨年5月に逝去したクリストの追悼の意を込め、今秋パリで予定されている凱旋門を包むプロジェクトの初期構想など、同館所蔵の16点を一挙公開。見ごたえのある特集展示だ。
常設展示では、レンブラントの《広つば帽を被った男》、印象派のモネ、シャガール、ピカソなどが見どころ。中でもロスコ・ルームではマーク・ロスコの「シーグラム壁画」7点を展示。世界に4カ所あるロスコ作品のみで出来上がった空間の内のひとつ。大きな革張りのベンチに座り、じっくり鑑賞出来る。
無料の音声ガイドアプリや毎日14時からの無料ガイドツアーも好評で、より深く作品を知ることが出来る。来館はオンラインで予約。ガイドツアーは当日窓口で予約。詳しくはHPで。無料駐車場あり。JR佐倉駅、京成佐倉駅から無料送迎バスあり。開館時間は10時30 分~ 16時(入館は15時30分まで)。休館日は月曜(祝日の場合は開館、翌平日に休館)。料金一般1000円。
▽千葉県佐倉市坂戸631。
▽問☎ 050・5541・8600(ハローダイヤル)。