店主の審美眼で選ばれたものたち
「カフェギャルリ・ソルシエール」
船橋市
船橋市三山の「カフェギャルリ・ソルシエール」はオープンから37年を迎える老舗カフェ。レンガに緑色の窓枠、カフェカーテンというパリの下町を思わせる外観。「若い頃暮らしたパリで通ったカフェを思い描いてオープンさせた」と、店主の安藤しげ子さん(76)。カフェギャルリというだけあって常時、壁面には油絵や水彩画、抽象画等の絵画がかけられている。
取材時は１年に２回しかないバティック（ろうけつ染め）展の開催中だった。「縁あって出掛けたインドネシアで出合ったバティックに心を惹かれ、その奥深さに魅了された。洗練された極上の工芸品から土の匂いのする日常使いのものまで手仕事の豊かさに感動した」と安藤さん。
インドネシアに買い付けに行くようになり30数年が経つ。店内には美術的価値のある手描きの作品から、気軽に着られるブラウスやワンピースに仕立てられた服などが並ぶ。
その他、彫金アクセサリーや陶芸作品など手仕事のものを中心に飾られ、個展なども開催される。パリで買い付けてくるアンティークを楽しみにしている常連客も多いとか。
「芸術に造詣の深い人じゃないと入りにくいお店と思うかもしれないが、毎月オリジナルのパスタをお目当てに通うお客さまもいらっしゃる」と笑う。梅干しやしめじ、しらすを使った和風の「ソルシエールスパゲティ」はおはしでいただくスタイル。
隠れメニューの「そば」は、信州でフレンチのシェフをしているパリ時代の友人から伝授されたレシピだ。オリジナルコーヒーはフルーティな酸味の「ソルシエールブレンド」。スイーツは人気なのだが、安藤さんの気まぐれで登場するのだとか。「クリームチーズケーキ」や「パウンドケーキ」などが並ぶ日もある。
ちょっと素敵なものに触れたい時やコーヒーでも飲んでゆっくりしたい時、訪ねてみてはいかがだろう。11時～19時、土曜日は11時～17時まで。日・祝定休。年に３回(海外買い付けのため各10日ほど)。
▼船橋市三山7-12-8。
▽問☏０４７・４７６・０６２７。
※写真 安藤さんとインドネシアのバティック作家アリフさん
