濃厚接触者日記
それは、突然だった。1月のある日、職場の同僚Aさん(60代男性)が発熱で休んだ。翌日、午後3時過ぎ、新型コロナ陽性で入院と聞く。発熱2日前、昼食を共にした私は、濃厚接触者となった。
※(現在の濃厚接触者の定義は、陽性感染者が発症した2日前から接触があった人。一緒に食事をした人、または15分以上1㍍以内にいてマスクを外していた人)。
□1日目
保健所からの指示を待つつもりで、仕事を早退。自宅待機者となる。
□2日目
保健所からの指示も連絡もない。陽性感染者に電話で詳しく聞く。どうやら、接触者についての洗い出し、ヒヤリングは特にないとのこと。保健所も増加する患者の対応で、手がまわらないらしい。今後の生活は自己判断しかないと悟る。
□3日目
何の症状もなし。一日に何回も検温、味覚も確認。家族とは距離をおき、別宅で1人、隔離生活を続ける。母が果物とレンジですぐに食べられる惣菜を玄関の扉の前に届けてくれた。助かった。
□4日目
症状はないが心配になり、PCR検査を受けようと決意。かかりつけ医に電話で相談。「症状があれば検査をするが、症状のない濃厚接触者の対応は出来ません」との返事。もう暫く、様子をみることにした。
□5日目
濃厚接触者だと思って自宅待機している知人数人に、ラインで様子を聞く。みんな症状はない。互いに励ましあう。
□6日目
行く予定だった研修会をキャンセル。同僚も、外出の伴う仕事は全て延期。仕事に影響が出るが、仕方ない。
□7日目~9日目
一体いつまで自宅待機すれば良いのか知りたいと思う。スマホで調べ、ライン友だちにも尋ねる。知人のドクターから、陽性感染者が発症した日から2週間との情報を得る。まだ半分か。
だいぶ慣れてきた。でも、一人で会話もなく、どこにも出かけない生活は、つまらない。いつもより睡眠時間をとっているせいか、目の下のクマもとれて健康的な顔に。あと4日、頑張ろう!
□10日目
朝、いつものように検温、微熱。慌てて何回も検温。やっぱり微熱37.2度。ちょっと焦る。感染経験者の友人に、症状を詳しく電話で聞く。もう少し様子をみよう。
□11日目
朝から関節が痛む。検温。依然として微熱。近所のクリニックに電話して、受診とPCR検査を予約。車を自分で運転し、指定時間に病院の駐車場で待つ。他の誰とも会わないように配慮されながら、クリニックの小部屋へ入る。看護師の指示に従い、問診票を記入し、唾液によるPCR検査を一人で行う。
その後、防護服姿のドクターの診察。解熱剤を処方される。マスク、ゴム手袋をして、自家用車で帰宅。結果は2日後。
※(症状が出るまでの潜伏期間は14日間。10日を過ぎた後でも陽性となる可能性はある。ただ、統計によると、潜伏期間の最初の10日間に90㌫が発症している)。
□12日目
解熱、食欲旺盛。関節痛が和らぐ。コロナじゃないかもしれないと期待。
□13日目
早朝、クリニックから電話。結果は陰性。ヤッター!家族に電話で報告。 細心の注意を払って、マスク、手袋を着用し、スーパーへ買い物。全てが新鮮。自由を謳歌する。
□14日目
自宅待機中の同僚とライン連絡。誰も症状が出なかったとわかり、安心する。
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コロナは発症の2日前から実は感染しており、その頃、無症状であるが感染力が強い。日頃の正しい手洗い、換気、密をさける事が大切と改めて感じる。今一度生活を見直してみましょう。(M・N)