2024年12月22日(日)、男子第75回、女子第36回全国高校駅伝が、たけびしスタジアム京都スタート、ゴールのコースで行われた。
千葉県から男子は千葉県代表八千代松陰高校、南関東地区代表西武台千葉高校の2校が出場し、女子は千葉県代表市立船橋高校、南関東地区代表成田高校の2校が出場した。
千葉県勢の男子は八千代松陰4位(2時間3分49秒)、西武台千葉17位(2時間6分22秒)、女子は市立船橋13位(1時間10分34秒)、成田28位(1時間11分35秒)となった。
男子1区(10km)は、八千代松陰3年の鈴木琉胤さん(松戸市立小金北中出身)が28分43秒。日本人選手区間記録(28分48秒)を5秒更新した。
千葉県高校駅伝のレース後、「全国高校駅伝1区を走ることになったらスローペースにはしない。区間賞狙いにはこだわり、その結果、日本人選手区間記録(28分48秒)を更新したい」と答えていた鈴木琉胤さん。全国高校駅伝1区日本人選手区間新記録を出した後に再び、話を聞いた。
「今日は楽しんで気楽に走っていいよ」と大橋一博監督に送り出してもらえたので自分で考えながら走ることができた。八千代松陰の先輩の佐藤一世さん(現SGホールディングス)が日本人選手区間記録を出した時の通過タイムを頭に入れて、5km地点の通過タイムは1秒前後の誤差。そこまでは向かい風の中でもいい感じで走れていた。7km地点の通過は佐藤一世さんの通過タイムより10秒程度遅く、そこで少し焦り、ペースを上げなければと思った。沿道から(残り3kmを)「8分6秒で行けば区間新!」と無茶ぶりが耳に入り、「よし、やってやろう」と残り3kmは、がむしゃらに走った。
スタート後、2kmを曲がってから金閣寺まで向かい風が強すぎて前に進めず、出たくても出られず。出るポイントを伺い、5km~6kmで後ろが少し離れたタイミングで「ここが勝負ポイント」と判断。中途半端に出ても後ろに付かれてしまい、それでは意味がなく振り出しに戻ってしまうので、そうならないようにスピードアップし、うまく最後まで足が動いてくれた。飛び出してからは1回も後ろを見ずに走った。2番手の選手とどのくらい離れているのかを確認しなかったが、沿道の方々から後続との秒差の情報が次々に入ってきて、沿道を見ながら終始楽しく笑顔で走れた。このコンディション(向かい風)の中で私が引っ張り、日本人選手区間新を出せたのは満足している。狙っていた28分30秒台には届かなかったが、今日の気候等をトータルで考えると満点の走り。沿道からチームメイトや一般の方々からの応援や声援が大きく、キツさを感じないように楽しく走れたことが好結果につながった。千葉県高校駅伝、関東高校駅伝以降も全国高校駅伝に懸ける思いが強く、長期間、好調を維持できた。そうではない期間もあったが、それは練習をしすぎてキツくなっただけで、「量を落として調子を上げる」を繰り返し、気にすることはなかった。
◆卒業後は早大へ
早大の選考基準の1つは全国優勝で、それは、高校1年時の国体(少年男子B3000m優勝)で達成していた。高校2年になるタイミングで早大の駅伝監督の花田勝彦さんから声をかけていただいていた。他校からも声をかけていただいた中で、私の体調や私自身をいちばん親身にいちばん大切に見てくれるのは花田さんだと感じ、早大の推薦試験を受験し合格した。
(取材・写真=さとる)