ゲームばかりも三者三様 

子どもの広場 ゆうび

 辰くん(小5)のお母さんがゲームのことで相談にやってきました。「ゲームを与えたらそればっかりになってしまって。オンラインで友達ともやっているみたい。私のスマホに辰が何時間ゲームしてるか通知が来るんですけど、『あ、3時間もやってる!』とか仕事中も気になって何度もチェックしちゃうんです。他のお宅はどうしているんでしょう?」


 子どもの長時間のゲームに頭を悩ませているご家庭は多いでしょう。ゆうびでも見学に来た子の面談で、普段していること・好きなことを聞くと9割方の子が「ゲームかユーチューブ」と答えます。子どもたちの生活に無くてはならないものになっていると感じます。


 子どもがゲームばかりしている姿をしょっちゅう目の当たりにすれば、親とすればやはりストレスです。しかし、ゆうびの子どもたちを見ていて、同じように「ゲームばかりやっている」にしても、子によって理由はいくつかあるように思えます。


◆一つにはその子がゲームそのものに面白さを感じ、夢中になっているパターン。クリアするため試行錯誤する過程が楽しいなど、本当に好きでやっている場合です。これがたとえばサッカーや読書なら、親は喜んでやらせるでしょう。ゲームだと途端にいい顔しません。目や脳への影響が気になるところかもしれませんが、夢中になれることが一つでもあるということは生きる力に直結します。


◆もう一つには友達とのコミュニケーションツールとしてゲームをやっているパターン。一人で極めるほどではないけど、友達とワイワイ言いながらやるのが楽しい。オンラインゲームは不登校生にとって数少ない、人間関係を学ぶ場です。決して危険ばかりではありません。


◆三つ目にはゲームの世界に身を置くことで、一時、現実から目を背ける防衛手段としてのゲームです。学校に行っていない自分、親からのプレッシャー。将来の不安…。押しつぶされないよう、ゲームの中だけではせめて自由に世界を飛び回って、自分の心を守っているのです。(次号へ)

☎04・7146・3501 NPOゆうび小さな学園 杉山麻理江