一年かけて一年生になる 

子どもの広場 ゆうび

 この春からの小学一年生。緊張の入学式に始まり、初めての授業、給食など少し慣れてきたところで連休。5、6月は疲れが出てくる時期です。敬くんがお母さんと一緒に平日に遊びに来ました。「今日は疲れてるのでお休みしますって先生に電話しちゃいました。昨日ささいなことで大ゲンカして、敬も私も疲れてるんだなって。今日は二人で映画でも観に行きます」。お母さんは晴れやかな笑顔。敬くんもお母さんと一緒の時間を過ごせることが嬉しそうでした。


 敬くんが学校の何に疲れるか。◎持っていく荷物が多すぎて何が何だかわからないし、ランドセルが重くて疲れる。◎小さいころから苦手な牛乳を、給食の時に毎日先生が「一口は飲みましょう」と言ってくる。◎授業と授業の間の休み時間が5分しかない。トイレに行くか、間に合わなかったらどうしようと迷って行けないときもある。などなど。これは大人だって疲れるよと思うことばかりです。生まれ月によっては年長さんとさして変わらない子が何キロもある荷物を背負って週5日、学校に行っている。それだけでもうすごいことではないかと私は思います。学校が一年生に対して要求しているレベルが少し高すぎやしないか。給食を残しても、食べられるものを美味しく食べてればいいじゃないか。休み時間だってもっと余白がないと元気に勉強できません。


 敬くんのお母さんのように「疲れたら休む」ができるのはなかなか貴重なことです。特に新一年生の場合は「ここで休ませたら休み癖がつく」、「毎日行かせて早く慣れさせなければ」というプレッシャーもあり、そう簡単に休むという選択をできない家も多いと思います。でも、本当は休むことも含めて、もっと柔軟に学校と付き合っていいのです。人間、無理をすれば必ずどこかで反動が出ます。休まず走り続けるより、休みながら走る方が楽に前へ進めます。入学したらすぐ一年生になるわけではない。この一年ゆっくり時間をかけて一年生になる。それくらいの気持ちで親も、学校も子どもを見守ってほしいです。


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