香さん(小4)と篤くん(小1)のお母さんが相談にいらっしゃいました。香さんは小1から不登校、ゆうびに通い始めて3年になります。一方、今年小学校に入学した篤くん。最初はたのしく通学していましたが、段々と行かない日が増え、香さんにくっついてゆうびにくる回数が多くなっています。「香が不登校になったとき、毎日お腹が痛くなったり、勉強への拒否感も強くて、これは休ませないと、と思いました。今はゆうびでたのしく過ごせていてよかったなと思っています。でも篤も、となると…」と目を伏せ、言葉を濁します。
上の子が不登校で、ほどなく下の子も行かなくなるというのはよくあるケースです。下の子はなんなく学校に行くという方が珍しいかもしれません。「ぼくは毎日早起きして宿題して学校に行っているのに、お兄ちゃんは遊んでばかりでずるい」、「お兄ちゃんなんで学校来ないの?と先生や友達に聞かれるのがいや」など、きょうだいの不登校はいろいろな思いを生みます。
それを受け止める親御さんは大変です。「お兄ちゃんはお兄ちゃん、あなたはあなた」と言うほかないですが、下の子は納得しづらいでしょう。学校がそもそも、その子にとってたのしい場所であればそういう発想にはならないはずですが、やはり我慢して行く場所となってしまっていることに原因があります。また、きょうだいで全然性格が違い、「下の子は学校に行けるタイプ」と思っていても、やはり学校が苦手と感じる気質や感受性はきょうだいで共通している場合が多いです。
上の子に続き、下の子まで…と親御さんのショックはいかほどかと思います。ですが、上の子のことで不登校のノウハウは既にあると前向きに捉えてみましょう。子どもを校門まで引きずって行ったり、泣きながら宿題をさせてみたり、そういったことは無駄だしお互い傷つくだけということが分かっているだけでも、もう、一歩先のステップに居ます。下の子もまとめてどんとこい、と腹をくくるしかないかもしれません。
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