学校内で不登校の親の会 

子どもの広場 ゆうび
この子の成長の場はどこに

 新年度が始まり、行き渋り段階の子や「学校に行きたいけど、行きたくない」など、揺れている状態の不登校生にとって、心がざわざわする季節です。「○年生になったから学校に行くぞ」、「学校に行きたくはないけど、新しいクラス、先生どんな感じかな…」など揺れる気持ちを受け止める親もまた、揺れる春です。


 新年度が始まると、ほどなくして大体どの学校でも保護者懇談会が開かれます。新年度の学校生活の説明を受けたり、担任の先生や同じクラスの保護者の人と交流したりする機会でもあります。この案内が来ると不登校生を持つ親は何とも微妙な気持ちになります。学校の様子を知りたくないことはない。だけど、わが子の姿はそこにはなく、家での様子や悩みを皆の前で話すのもはばかれる。という気持ちの方が多いようです。


 そういった声を受けて、ある中学校で不登校生を持つ保護者の懇談会が開かれました。不登校生を持つ親が集う、通称『親の会』は民間団体や当事者主催で各地で開催されていますが、学校内でというのは、今までにない画期的なことです。第一には、家から近いこと。各地の親の会はほぼ都市部に集中しており、遠くて出掛けにくい場合もあります。学校であれば歩いて気軽に出掛けられます。あとは同じ地域に住む不登校の親とつながれること。わが子が不登校になり、まず感じるのは地域の中での孤独感です。大多数が学校に通っているなかで、自分たちだけが取り残されたような、近所を出歩くのもためらうような、そんな心細い気持ちです。でも知らないだけで、実は意外に近くに同じような悩みを持つお家があるかもしれません。うちだけじゃないんだという安心感は、日々の親子の元気につながります。


 学校としても、多忙でしょうが、場所を貸すだけでなく、もし先生が出席できれば、不登校生の実情を知る良い機会になると思います。学校と不登校家庭は本来、相反する関係ではありません。同じ地域で育つ子どもを見守る仲間です。学校で不登校のことを話す。広まればいいなと思います。

☎04・7146・3501(NPOゆうび小さな学園 杉山麻理江)