いつかこたえ合わせのできる時まで

子どもの広場 ゆうび

 この一年はコロナ禍で、子どもたちの体験活動の機会が多く失われた年でもありました。ゆうびでもキャンプやお祭り、スポーツ大会、演劇など子どもたちが毎年楽しみにしている行事は全て中止。本当に残念でした。

 『はじめてのキャンプ』(林明子作・絵 福音館書店)という絵本があります。主人公の女の子が初めてキャンプへ出かけ、野外炊飯、テント泊、満天の星空などを体験していきます。外で食べるご飯の美味しさ、夜の自然の怖さなど、キャンプで味わう不安や感動が、シンプルながら全て詰まった上質な絵本です。

 4歳の息子Mはこの絵本をいたく気に入り、じきに「キャンプごっこしよう!」と言うようになりました。まずはリュックを背負い、部屋の中を少し歩いたら森(居間)に到着。赤い積み木を薪に見立て、うちわで扇いで焚き火をします。そこにままごと用のフライパンを乗せブロックを炒めてカレーを作ります。ごはんは本物のカレーに差し替えて夕飯の時間。部屋の電気は消し、ランタンの光だけが頼りです。Mは「外で食べるとおいしいなあ!」とすっかり森にいるつもりでした。

 先日、ゆうびの園庭で焚き火をしました。Mにとって初めての本物の焚き火でした。スタッフの耕さんに教わり、薪の山からどれがいいか選びます。火をつけると煙が上がり匂いもきつくてMは驚いて走って逃げていました。家に帰ってから焚き火の感想を聞くと「小さい木から入れるんだよ。燃えるとぱちぱちって音がした。あと、煙がくさかった!」と楽しそうに話してくれました。

 今までのような体験活動は、もしかしたら今後数年は難しいかもしれません。しかし、子どもたちが子どもでいる時間は待ってはくれません。「ごっこ」でもオンラインでもさまざまな『体験』をし、そして、いつか現実で体験したとき「あ、あの時と同じだ」や「本当はこうだったんだ」と気付くことがあるかもしれません。いつかこたえ合わせするときの楽しみがあると思って。来年も工夫しながら子どもたちと楽しい体験をしたいです。

☎04・7146・3501 FAX同7147・1491(NPOゆうび小さな学園・杉山 麻理江)

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