臨時休校により子どもたちのゲームやスマホの時間がどうしても増えてしまい、頭を悩ませているご家庭も多いでしょう。
ゆうびでも現在、小中学生の大半が登園するとゲーム中心で遊んでいます。大体数人で集まって、同じゲーム内で通信対戦をしています。ゲーム画面に長時間さらされた目や脳への影響はもちろん心配ですが、このところ気になるのはゲーム中の彼らの会話です。
スタッフ誠さん「ゲーム中の子どもたちの会話を聞いていると、発する言葉の主体が本人じゃなく他人の口を借りてしゃべっているみたいな感じ」と言います。
◆ゲーム内で負かされた子が「今のってうざいんですけど~」と言う。相手の子が「はーい、どんまいですねー」などと返す。どちらもゲーム画面から目を離さずに、口調はいたって軽い。
◆ゲームをしている草くんの画面を一緒になって見ている晃くん。草くんがミスすると晃くんが「クソだな、しねよ」と平気で言う。言われた草くんは気にせずゲームを続けている。
言うなれば人形遊びをしていて、その人形に喋らせているような感覚でしょうか。 あくまでもゲームのキャラクターに対して言っているのであって、操作している人を傷つけるつもりはない。言われた方も言われた方で、自分の操作ミスについて言われただけだからと「しねよ」という言葉も聞き流せるのかもしれません。これらはある意味で自分の感情にワンクッション置いて自分も相手も傷つけまいとする防衛策の一つなのかもしれません。しかし、どこからどこに向けて言っている言葉なのか、どういう感情から出た言葉なのか、自分でも段々分からなくなっていくように思います。
自分の心からの言葉を養うにはやはり生身の体験。いま自分は負けて悔しいのか、文句を言われて悲しいのか、腹が立っているのか。感じ取れるようになる為に、ゲーム以外の体験活動を増やす必要性を改めて感じます。
自分の感情を吟味し、自分の言葉にしてほしい。「嫌なことは嫌と言える」や「助けてほしいときに助けてと言える」生きる力への一歩です。
(文=杉山 麻理江)
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