3月に入った途端に暖かくなり、春爛漫の陽気が続いています。それに伴いモンシロチョウやニホンアマガエルなど春を告げる生きものたちが続々と姿を現し、ヒバリやウグイスの鳴き声も聞こえ一気に春の装いです。日を追うごとに野花の数も増え、散歩道も彩り豊かになりました。
春の野花を愛でるときに、ぜひ四つ葉のクローバー感覚で探してみたいのが「白い花」です。とは言っても、もともと白い花を咲かせる種類では無く、花色ちがいの個性(品種)として白い花になったものです。
赤やピンク、紫色系の野花では、ホトケノザやヒメオドリコソウ、カラスノエンドウなどは、比較的白い花が見つかりやすい傾向にあります。ゲンゲ(レンゲソウ)やショカツサイは、遺伝的には固定していないようですが、たまに白い花が混じることもあります。
青系の野花の代表オオイヌノフグリは、なぜか白い花を咲かせる株が見つかりません。ただ除草剤を浴びると花の色が抜けて、見かけ上、白い花のように見えることはあります(これは人的要因によるものなので幸せの白い花の対象からは除外)。
黄色系の野花では、カントウタンポポやノゲシなどで白っぽい花を咲かせる株が出ることがあります。その場合は純白にはならず、薄い黄色になります。
これらの「白い花」は、種類によっては四つ葉のクローバーとは比にならないくらいレア度が高いのですが、そのぶん見つけたときの喜びは格別かもしれませんね。
わぴちゃん(岩槻秀明)プロフィール
気象予報士。自然科学系のライターとして植物や気象など自然にまつわる書籍の制作に携わり、著書は20冊以上におよぶ。千葉県立関宿城博物館調査協力員、野田市史編さん委員会専門委員なども務める。宮城県生まれ野田市育ち。