秋さんぽの定番!どんぐりの種類を見分けてみよう! 

わぴちゃんさんぽ

 似たようなものばかりで、パッとしないことを「どんぐりの背比べ」なんて表現したりしますね。

確かにどんぐりの仲間はどれもよく似ていて、興味が無いとそんなふうに見えてしまうのかもしれません。しかし自然観察の世界では、どんぐりほど奥が深いものはありません。とても魅力たっぷりな「どんぐりの背比べ」を散歩がてらに探してみませんか?

 とはいえ、当記事枠ではその魅力のすべてをお伝えすることはできません。そこで東葛地区で見られる可能性がある種類についてざっくりと紹介します。

 実は、どんぐりという名前の植物はありません。ブナ科の樹木で硬い殻に覆われた果実(堅果)ができるものを総称してそう呼んでいるのです。

また、どんぐりには普通いわゆる帽子(正式には殻斗という)があるのも特徴です。秋の味覚、栗も立派などんぐりです。


 日本には20種あまりのどんぐりがあります。東葛地区でもよく見かけるのは、コナラとクヌギ、シラカシ、スダジイあたりでしょうか。コナラとシラカシはよく似ていますが、帽子の模様が違います。またコナラは冬に落葉するのに対し、シラカシは常緑です。


 スダジイは古い神社などに多く、クスノキと共にトトロの木とでも言いたくなるような巨木に育ちます。どんぐりは先がとがった形で、アクが弱く、皮を剥けば生でも食べられます。


 クヌギはもじゃもじゃ帽子のどんぐりです。そして同様にもじゃもじゃ帽子のどんぐりができるのがカシワです。カシワは柏市の木であり、葉は柏餅を包むのに使われます。

 最近は公園などにマテバシイがよく植えられるようになりました。本来は九州から沖縄にかけての植物ですが、各地に植栽され、今や東葛地区でもおなじみです。ちなみにマテバシイのどんぐりもアクは無く、茹でて食べると意外に美味です。

 どんぐりの木の中には生垣に使われるものもあります。それがウバメガシです。普段はただの生垣として見過ごしてしまいそうですが、秋に小さなどんぐりがついていることがあります。

 その他、公園などには思いがけないような珍しい種類のどんぐりが植えられていることもあります。そういうのを探してみるのも楽しいかもしれませんね。


わぴちゃん(岩槻秀明)プロフィール

気象予報士。自然科学系のライターとして植物や気象など自然にまつわる書籍の制作に携わり、著書は20冊以上におよぶ。千葉県立関宿城博物館調査協力員、野田市史編さん委員会専門委員なども務める。宮城県生まれ野田市育ち。わぴちゃんホームページ