このところ、ウイルス性胃腸炎の患者さんが増えていると感じます。つい先日も節分の恵方巻きを介したノロウイルスによる集団食中毒が発生したと報道されていました。最近ではコロナやインフルエンザの話題に押されてテレビ等でクローズアップされることが少なくなっていますが、毎年結構な数の患者さんが出ているというのが現状です。
胃腸炎を起こすウイルスは、一般に非常に高い感染力を持っていることが特徴で、ごく少量のウイルスが体内に侵入することで発症する上に、消毒には塩素系の消毒剤や漂白剤が必要になります。 リネン類の消毒方法や嘔吐物の処理方法については、医療機関に配置されている小冊子や、インターネットでも調べられますので、今一度ご確認を。
ここで注意喚起を一つ。嘔吐物の処理方法に焦点が行きがちですが、大量にウイルスが含まれているのは嘔吐物というよりむしろ便です。トイレに行った後や、お子さんのオムツを処理したあとの手洗いは十分に行ってください。
アルコールは無効ですし、塩素系の薬剤は手指に使うことはできません。石鹸と十分な流水により物理的に洗い落とす以外方法がありません。
実の所集団感染は、ほぼ感染者の手指を介して発生しています。皆様もご留意ください。
もし感染してしまった場合の治療法は対症療法のみになります。一般的な解熱剤、整腸剤、吐き気止めを使いながら、脱水症状を起こさないよう経口補水液等で水分と塩分を補給します。
胃腸炎の症状が出ると動くのも辛い状況になることが多いです。かからないのが一番ですが、万一に備え予め塩素系漂白剤や薬を用意しておくと良いでしょう。
漢方薬の五苓散は、ウイルス性胃腸炎の症状の緩和に役立つものですのでお勧めです。
担当薬剤師 石井雄太 問☎047・360・3600一般社団法人松戸市薬剤師会
