サン・セバスチャンへ、ようこそ 

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 日本時間の3月11日は、いよいよアカデミー賞の発表日です。今回は、アカデミー賞に最も縁のある人物のひとり、名匠ウディ・アレンの『サン・セバスチャンへ、ようこそ』をご紹介します。ちなみにウディ・アレンは、24回ノミネートされ、4回の受賞に輝きました。


 舞台は、スペイン北部バスク地方の街サン・セバスチャン。かつて大学で映画を教えていたモート・リフキンは、今は人生初の小説の執筆に取り組んでいます。彼は、有名なフランス人監督フィリップの広報を担当している妻スーに同行して、映画祭にやってきます。スーとフィリップの浮気を疑うモートはストレスに苛まれ、診療所に行くはめに。そこで女性医師ジョーと出会い、浮気癖のある芸術家の夫との結婚生活に悩む彼女に恋心を抱き始めますが…。


 本作の見所のひとつが、映画への数々のオマージュです。モートが街を歩くと『8 1/2』の世界が突然目の前に現れたり、夢の中で『市民ケーン』や『勝手にしやがれ』の世界に自身が登場したりするなど、クラシック映画の世界に没入する不思議な体験が次々と起こります。


映画愛がつまった至福のロマンティック・コメディを、ぜひ当館でお楽しみください。    

(キネマ旬報シアター 長谷部)