「命まじわる絵」
ふなばしアンデルセン公園 子ども美術館
開催中~8月15日
ふなばしアンデルセン公園子ども美術館で、ペン画アーティスト・村山大明(むらやまともあき)さんの作品展「命まじわる絵」が現在開催中だ。会期は8月15日(火)まで。
同館を訪問して作品を鑑賞した。入口を入って左側の大きな作品「水辺のいきもの」(2095×2920)が目を引く。魚、亀、ウナギ、オオサンショウウオなどが水の中を泳いでいる。まるで自分も絵の中にいるかのような錯覚を覚える。右の壁の巨大な作品「Deep forest」は多種多様な動物、植物、魚、鳥などが細密に描かれ、優れた観察力が目を引く。
作品に近づくと、亀の横にカラス、上にリス、その横にサメが竹を食いちぎっている。見る者を圧倒する迫力があるが、不思議な静けさに満ちている。平面作品は全部で19点、奥の部屋には立体作品が25点ほど展示され、企画展そのものが、まるで森の中に迷い込んだような、不思議な感覚に囚われる。
この作品を制作発表した村山大明さんに創作の秘密を伺った。「幼稚園の頃から絵が好きで、友だちに鳥の絵をほめられたことが絵を描くきっかけになった」そう。動物とかかわった最初の記憶は「子どものころから森の中へ行き、野生の鹿をよく見かけた。オオサンショウウオも近くの小川にいた」と楽しそうに振り返る。自然に囲まれて育った村山さんにとって生き物たちは作品のインスピレーションの源となっていたと思われる。
「自然はいろいろな生き物が入り乱れて調和している。小さいものが好きでその密度を表現したい。虫の視点になり、観察したものを表現しやすいため」と、細いペンを使用する理由を話してくれた。また観察の時間の大切さについて「この生物のここがおもしろい、ここを描きたいなというものがないと作品に奥行きが出ない」と、モデルとなる生き物への眼差しは熱い。
「命まじわる絵」を通し、観覧者へのメッセージを「自然に目を向けて、自然と向き合っている時間を多くとってほしい。人間ファーストになっているので、他の生き物にも目を向ければ、今までにない視点や発見を得ることが出来ます」と、語ってくれた。
▼「ふなばしアンデルセン公園子ども美術館」。新京成線「三咲駅」からバス「セコメディック病院」行きで約15分。「アンデルセン公園」下車徒歩1分。平日9時30分~16時。土日曜・祝日9時30分~17時。7月20日~8月15日は9時~17時。月曜休館(ただし7月24日、31日と8月7日、14日は開館)。
▼船橋市金堀町525。子ども美術館展示室1・2、エントランスホール。
▽問☎047・457・6661。