日差しが暑くなり、いよいよ夏らしくなってきた頃ですね。今回紹介するのは『さらば、わが愛 覇王別記』という作品です。
カンヌ国際映画祭パルム・ドール賞を受賞した本作は、香港を代表する巨匠チェン・カイコー監督が香港を代表する大スターのレスリー・チャンを主演にむかえており、スケール、音楽は劇場で体感してほしい壮大さとなっています。
また、主演である香港出身の大スターであるレスリー・チャン、そしてコン・リーが演じるのはまさに映画の“役”としてではなく、激動の時代を生きる人の愛憎、悲哀さを身体、魂を使って表現しています。そして、 本作の半世紀にも及ぶ激動の歴史を背景の「覇王別記」は、1790年に北京で誕生したと言われる京劇という伝統舞台芸術の有名な演目です。“覇王”と“姫”の“別れ”を描いた京劇は、映画内の2人の主演の感情とも重なる部分があるのかもしれません。
映画のストーリーのみならず、京劇を体験できる貴重な作品です。ぜひ、当館でご覧ください。
(鮑愛)