K太せんせいの放課後の黒板消し 85

K太せんせいの「放課後の黒板消し」

 なにがホントでどれがウソやら

 まずは有名な頭の体操から。あなたは旅人で、ある分かれ道に立っています。目指しているのは村人全員が正直者の「正直村」です。ところが、間違った方に進むと村人全員が嘘つきの「嘘つき村」に入ってしまい、大変なことに……。

 分かれ道にはどちらの村から来たか分らない村人が一人います。さて、一つだけ質問が許されるとしたら、何と尋ねれば「正直村」に行けるでしょうか。

 「どちらが正直村ですか?」とストレートに尋ねた場合、もし村人が嘘つき村から来た者であれば当然ウソをつき反対を指さします。「あなたは正直者ですか?」といった質問も同様の結果です。

 正解は…「あなたの村に行くには、どちらの道を進めば良いですか?」です。こうすれば村人がどちらの出身でも必ず「正直村」を指さすことになります。

 「嘘八百」の言葉通り、私たちの周りにはウソが沢山あります。「嘘つきは泥棒の始まり」と戒められるように人を騙すためのウソもあれば、「嘘も方便」とばかりに必要に迫られてつくウソもあります。人を傷つけないための「優しい嘘」や、辛くても前に進むために「自分の心につく嘘」まであります。

 エイプリルフールのように思わず「ウソでしょ?!」と叫びたくなるような「信じられない冗談」として楽しむこともできますが、最近ではフェイクニュースの生成にAIが使われ、100%ウソなのに「嘘かどうか見分けがつかない」レベルのウソまで存在します。

 さあ、どうしましょう。こんな時、私は川崎洋さんの詩「ウソ」を思い出します。その最後の二連に示された解決方法は…

冗談のようなホントがあり

涙ながらのウソがあって

なにがホントで

どれがウソやら

そこで私はいつも

水をすくう形に両手のひらを重ね

そっと息を吹きかけるのです

このあたたかさだけは

ウソではない と

自分でうなづくために」

 とっても優しくて温かな、自分を取り戻す方法だと思いませんか。

■K太せんせい

現役教師。教育現場のありのままを伝え、読書案内なども執筆する。