『知る』ことで自分を守る。性的同意① 

子どもの広場 ゆうび

 ゆうびで最近、『コンプラカフェ』という勉強会を始めました。中学生年齢~成人年齢の子が集まり、世の中や自分の中にある偏見や差別に気づき、新しい価値観について考えようという会です。


 先月の会のテーマは「性的同意」でした。性的同意とは、性的な行為に対して、お互いに「したい」という積極的な気持ちがあるか確認しあうことです。断れない状態や立場を利用しての行為は、同意があったとは言えません。夫婦や恋人同士であっても同じように同意が必要となります。


 このことは性的な行為のみならず、人と人が生活する上で起こり得る、さまざまな行動に対しても適応されることであり、友人、親子関係、他人同士の中でも守られるべきことであると感じ、子ども、若者たちと話し合うため、話題にしました。


 「同意」の話の前に。「からだの自己決定権」という言葉があります。自分の体にまつわること、例えば「この人と握手するか?」、「ハグはOKか?」、「一緒にどこに行くか?」などの判断を決定する権利のことです。それは全て自分自身にあり、常識や周囲の空気に沿うのではなく、自分が快と感じるか不快と感じるかで決めてよいというものです(自分や他人の安全や健康を損なう場合を除く)。当たり前のことのようにも思えますが、私たちは知らず知らずのうちに「相手が望んでいるなら受け入れるべき」、「みんなそうしてるから」という他人基準で多くの物事を決めています。一番守るべき自分の心と体のことこそ、自分で決めて良いのです。


 「安心する・温かい気持ちになる・嬉しい・楽しい」と感じられるならばイエス。「怖い・悲しい・なんとなくモヤモヤする・わからない」などは全てノーです。積極的な気持ちを持てていなければ、断る。でないとその時感じていなくても、同意なく自分の領域に触れられた経験は後々心の傷になりかねません。


 そうは言っても若者たちの中から「断るのが苦手」、「相手に嫌われたらと思うと断れない」という声も出ました。
次回に続く。
☎04・7146・3501 NPOゆうび小さな学園 杉山麻理江