織さん⒇。夏休み、久しぶりに実家に帰省したというので感想を聞いた。「久々に会った親や親戚がまず言ったことって何だと思う?…私の外見のことだよ」と言う。「お腹が出てるだの、ガニ股だの、肌色が黒いだの、批判ばっかり」。「思えば小さい時から、こういうことたくさん言われてきた。お前は足が短いから、こっちの服がいいと勝手に決められたり。ずっとそういうもんかと思ってたけど…。それが今回久しぶりに言われて、すごい違和感だった。なんで私の体のこと、あんたたちに意見されなきゃいけないのって」。
人の外見について揶揄したり、批判したり、意見を言うことを「ボディシェイミング(体形批判)」と言います。近年、特に欧米の女性ミュージシャンなどが、体形について意見を言われ続ける立場から声を上げたことでも話題になりました。
これはとりわけ、親と子の間でもよく起こりうる問題です。他人の体形を批判することは失礼だから、しない。では自分の子どもには?わが子可愛さや心配もあってかもしれませんが、親からの外見批判は深刻な影響をもたらします。
幼少期から外見について否定・指図ばかりされていると、子どもは自分の顔や体を愛せなくなり、自分に自信が持てなくなります。本来自由な個性の表現である服装についても同様です。ありのままの自分を受け入れてもらえなかった経験は根深く残り、自己肯定感を持ちにくくなる子もいます。
特に悪意を持った発言でなくとも「痩せたね」「かわいくなったね」「その髪型前の方が好みだったな」など、ただ意見を言うことも、言われた相手が望んでいなければ、屈辱を与えるボディシェイミングに当てはまります。こちらが褒めたつもりでも、どう受け取るかは相手のものです。
「手脚が長い、色白、瘦せている…などが好ましい」。これらは私たちが長い間刷り込まれた、絶滅すべき古い価値観です。どんな体も美しい。どんな恰好も本人がしたいようにすればいい。子ども、若者たちには多様な美しさを存分に体現していってほしいです。
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