ちょっぴり素敵な恰好で

子どもの広場 ゆうび

 秋風が吹き始めました。暑くも寒くもなく、おしゃれをするにはよい季節です。私は今まで、子ども相手の仕事ということもあり、仕事用の汚れてもよい服とそれ以外の服を分けていました。しかし、コロナ禍になり、仕事以外に外出する機会はほとんど訪れず。そこで、タンスの肥やしにしていてもしょうがない、と仕事でもお出かけ用の洋服を着たり、アクセサリーを着けたりするようになりました。気分も上がりますし、普段感じない、自分に目を向けている感覚があります。


 子どもがもっと小さい頃はおしゃれに気を配る余裕はなく、とにかく動きやすく洗濯しやすい服。髪も肌もほったらかし。ふと鏡を見たら、びっくり!がっくり…ということがよくありました。そんなとき、息子の保育園の先生たちはとても素敵な恰好をしていました。レースのついたブラウスに、上品な花柄のエプロン、民族衣装風のスカート姿の先生もいました。赤ちゃん相手に汚れるだろうに、なぜ?と疑問でしたが、自分の子どもにそのような姿で接してくれることを、嬉しく感じました。先生方の「子どもの目に触れるものは美しいものを」というプロ意識です。


 公式な場や目上の人と会う時、敬意を表すため、きちんとした格好をしますが、それは子ども相手でも同じ。子どもにとって、相手が美しい身なりをしているということは『あなたはこの格好で接するに値する人間ですよ』というメッセージになります。そして装う本人へも『あなたはこの格好をするに値する人間ですよ』というポジティブなメッセージを与えることになると思います。 


 コロナの厳しい局面が続いています。生活するのに精いっぱい、身なりなんて考えていられないという方も多いでしょう。たとえば爪を切るときに少し形を整えてみる、しまいっ放しのお気に入りの服を着てみるなど、ささいなことでいいと思います。日々のちょっとしたセルフケアで毎日頑張っている自分を労いましょう。自分の自己肯定感を高めることは、日々子どもと接する人間にとって、とても大切なことです。


☎04・7146・3501 FAX同7147・1491(NPOゆうび小さな学園・杉山麻理江)