つらい気持ちの対処法

子どもの広場 ゆうび

◆都さん(高1)「今まであった嫌なことが頭をめぐってつらくなる。薬を飲んだりしなきゃと思っていても体が動かない」
◆貴くん(26歳)「会社の人から仕事ができないやつだと嫌われている気がする。毎日仕事に行くのが憂鬱」。


 若者たちからの心の吐露にいつもどう返すべきだろうと自問自答の日々です。悩み相談にはまず「受け止め・共感」が基本です。「そうだったんだね。つらかったね」という言葉掛けから相談者は「自分の気持ちを分かってもらえた」という安心感を持ちます。なんの答えが出なくても、話を聞いてもらい、共感してもらっただけで気持ちが上向きになったという経験は誰しもあるのではないでしょうか。ですが、相談内容が、深刻であったり、長期間同じ事柄について悩んでいたりする子たちに対しても、同じ対応でよいのかと悩みます。


 そんな時、カウンセラーの先生の講義を受ける機会がありました。先生曰く、話を聞くポイントとして、『本人のつらさにフォーカスしすぎない』ことが大事と言います。共感は人と人との関係づくりには有効だが、しすぎると相談者のつらい気持ちが増幅される場合がある。それよりも焦点を当てたいのが、『今までそんなつらい気持ちになったとき、どうやって持ちこたえてきたか』という点です。


◆都さん「何も動けないときはとりあえずスマホでアニメをずっと見てる。何話も続けて…。そのうち眠くなって寝てる」
◆貴くん「仕事帰りにドライブしてる。夜、あてどなく走ってると結構すっきりする」など。辛い気持ちの時どんな風にやり過ごしてきたか、聞いていくとそれぞれいろんな工夫をしていることがわかります。「つらいまま落ち続けるのでなく、どこかで浮上しようとする力をあなたは持っているんだね」。そのことを一緒に繰り返し話すことで、子ども・若者たちが、自分の力を認識し、つらい沼に引っ張られそうなとき、なにか対処してみようと動く一助になればと思います。


☎04・7146・3501 FAX同7147・1491(NPOゆうび小さな学園 杉山麻理江)