100年先も残したい こんぶくろ池 ユネスコの「未来遺産」に登録 

地域・自然
左から中川望 理事 、岡本曻 前理事長 、 萩原秀夫 理事長 、土屋誠 琉球大学名誉教授

 TX柏の葉キャンパス駅からほど近い場所にある『こんぶくろ池自然博物公園』は、東京ドーム約4個分の広さがある自然の森。こんぶくろ池、弁天池など4つの池を有し、生物多様性を持つこの森を育ててきたのが『NPO法人こんぶくろ池自然の森』だ。主に、里山活動(散策路づくり、倒木の除去など)調査・研究活動(植物、昆虫、鳥などの調査保全、千葉大学や東京大学と協同した研究活動)、イベント・自然体験活動(公園の周知や啓発のためのイベント開催)などを行っている。


 NPO法人となる前から数えると43年間にも及ぶ活動が評価され、公益社団法人「日本ユネスコ協会連盟」(東京渋谷区)から、県内で初の「プロジェクト未来遺産」として登録された。プロジェクト未来遺産は、地域の宝物を100年後の子どもたちに残す活動をしている人々を応援するもので2009年に始まり、現在79のプロジェクトが登録されている。


 7月15日に柏市役所本庁舎で行われた登録伝達式では、未来遺産委員会委員 土屋誠 琉球大学名誉教授先生より、「皆さんがほぼ毎週、現地活動していること、様々な年齢の人が参加していることも大きく評価したい。100年後のこんぶくろ池周辺がどのようになっているかとても楽しみ」との談話があった。


 同法人 萩原秀夫理事長は「1980年代からの市民による地道な努力に光を当てていただきありがたい。NPO法人として13年になるが、到達点はない。地域とも協力して常に変化する自然環境に対応していきたい」と決意を新たにした。また、小学生サポーターの柏市立第三小学校6年 中川海里くんは、「こんぶくろ池にいくと虫、鳥、植物それぞれに詳しい人が優しく教えてくれる。ぼくの好きなこんぶくろ池がユネスコに登録されてとても嬉しい」と笑顔で話した。
(写真・文=松原美穂子)