ゆうびの男性スタッフ楠さんが結婚しました。お祝い事とあり、感染拡大に配慮した上で小さな結婚報告会を開きました。妻の雪さんと2人壇上に上がってもらい、学園生や保護者が記者会見さながら質問を投げかけます。
「お互いの好きなところは?」、「楠くんはゲームが好きですけど、結婚してからも続けるんですか?」など会場から屈託ない質問が飛び交い、和やかな会となりました。
ある子から「楠さんは、雪さんの実家に『娘さんをください』と言いに行ったときは緊張しましたか?」というような質問が出て、楠さんはそのときの心情を丁寧に教えてくれました。
すると、司会のスタッフ誠さんが「まず男性が女性の実家に許しを得るのが通例のように僕も思っていたけど、その反対があってもいいよね。これからはそういう時代になるのかな」と感想を言いました。
確かに『結婚』一つとっても、私たちの中に無意識に性別による役割が固まっていることに気づきます。たとえば、「相手の手料理で美味しいものは?」や「結婚指輪はいくら位だった?」のような質問は男性へ。「苗字が変わるのってどういう気持ち?」・「結婚したら仕事はどうするの?」などの質問は女性に向けられ、その反対はほとんどイメージされにくいのではないでしょうか。
現代は共働き家庭の方が多く、女性がフルタイムで働き、家事や育児をする男性も珍しくはなくなりました。しかし、実際そのような家庭で育っている学園生と話していても、やっぱり『結婚したら男は仕事を頑張る、女は家庭を守る』というイメージを持つ子が多いことに驚きます。
子どもたちは身近な大人の言動・行動から「男はこうあるべきもの 女はこうあるべきもの」というイメージを学習します。メディアの影響も強いでしょう。
これからの子どもたちには性別による役割などではなく、個々の嗜好や得意・不得意を認め合い、それらを活かし、心豊かな人生を創っていける時代を手渡さなければなりません。
(文=杉山 麻理江)
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