環水平アークの季節がやってきた!

わぴちゃんさんぽ

 春はもともと駆け足で過ぎゆくものですが、今年は特に気温が高く、まるで全力疾走で通り過ぎるような勢いです。大型連休が終わると木々の緑はより濃くなり、沖縄からは早くも「梅雨入り」の声が聞こえてくるようになります。

 さてこれからの季節、天気予報などでしばしば話題になるのが環水平アークという光の現象。太陽の下側、目線の高さに近い位置に現れ、横にまっすぐのびた虹のような姿をしています。色の並びは上から赤・橙・黄・緑・青・藍・紫となっており、稀な現象でありながらも色鮮やかでとても美しく、よく目立つため話題にあがりやすいものです。

 見た目が虹によく似ていますが、虹とはまったく別の現象です。虹は太陽と反対側に現れ、雨粒などの水滴によって光が屈折・反射してできるのに対し、環水平アークは、太陽側の空に現れ、上空の氷晶(小さな氷の結晶)によって光が屈折した結果できる現象です。氷晶によってできる光の現象を総称してハロと言い、環水平アークはハロの一種です。

内がさ

 環水平アークの出現位置は太陽の下側で、視半径(太陽と観察者、光の現象を結んだ角度)が約46度とかなり離れています。そのため見られるのは太陽高度がかなり高いときに限られます。東葛地区では4月から9月にかけて、午前11時から午後1時頃に出現のチャンスがあります。このタイミングで氷晶からなる薄い雲(巻層雲など)に覆われ、太陽を中心とした光の円(「内がさ」というハロの一種で、俗に太陽がカサをかぶると表現される)が見えるようなときは、こまめに空を確認するとよいでしょう。

主なハロの種類と出現位置

 ちなみにハロと呼ばれる光の現象は、氷晶の形や光の当たり方などの違いから、さまざまな種類があり、種類によってその見た目や出現位置が異なります。環水平アークが出現するようなときは、ほかの種類のハロも同時に現れることが多いので、あわせてチェックしてみると良いかもしれません。ただその際には太陽を電柱や木、建物、手などで隠すようにし、直視しないようにしてください。また色つきのサングラスなどはかえって目に負担をかけてしまうので観察時は使わないようにしましょう。