戸定が丘歴史公園

地域・自然

 今月の沿線さんぽは、松戸市にある戸定が丘歴史公園を訪れました。


 今年の大河ドラマ「青天を衝け」にも登場する徳川慶喜の弟、昭武の邸宅「戸定邸」を囲むように広がる2・3ヘクタールの敷地は和と洋を見事に織り交ぜた庭園となっています。将軍の名代として13歳でフランスに初めて渡り、その後も長期のパリ留学など、国際派として知られる昭武。ドラマで当時の背景に触れつつ、昭武に思いを馳せてお散歩してみませんか?


 戸定邸は有料ですが、公園は無料で散策できます。散歩の際には、感染対策をしっかり行い、ソーシャルディスタンスを守りましょう。

公園内にある戸定邸


 駅からは徒歩約10分ですが、今回、戸定が丘歴史公園へは車で向かいました。第一駐車場と第二駐車場合わせて乗用車46台分の駐車場があります。その名の通り、丘の上にある公園ですので、駐車場から戸定が丘歴史公園の入り口である茅葺門までは坂や階段となっています。門からは松戸市街が広がりま
す。

駐車場


 日本の歴史公園100選にも選ばれている公園には、昭武が運び上げたコウヤマキやヒヨクヒバなどの巨木が残っており、歴史を感じさせます。暑い日でも涼しく散歩できる公園は東屋庭園、梅園、書院造庭園の三つから成り、書院造庭園は毎月0がつく日に戸定邸内から庭に降りることができます。

 明治時代の姿に復元する工事を経て2018年から再公開されている東屋庭園は高台にある立地を活かして、日本庭園の伝統的技法となっている借景をうまくとり入れつつ、ヨーロッパの公園のように芝生が広がる和洋折衷のような空間です。ティーンエージャーの多感な時期にヨーロッパの文化に直に触れた昭武のカルチャーショックが伺い知れるような気がします。和風建築の戸定邸ですが、洋風っぽい庭がなぜかしっくりくるのは、昭武のセンスのなせる業でしょうか?


 なお、東屋からは都内やその先の山々まで見えます。散歩当日は霞んで分からなかったものの、富士山も見えるとのことなので、気温が下がって空気が澄んだ日などは狙い目かもしれません。また、晩秋には紅葉が楽しめるような巨木も発見しました。


 東屋庭園の奥にある梅園に行ってみました。オープンスペースのような東屋庭園とは一転、ここは木々が生い茂り、涼やかです。約40本の梅の木が植えられています。梅の木ではないのですが、通路に沿うように植えられた幾何学的っぽくも見える植栽なども、フランス庭園の影響かな?と勝手に想像しながら歩きました。
 ちなみに、ここを歩く際には虫除けがあった方がいいかもです。
(写真・文=土肥佳子)



戸定が丘歴史公園
松戸市松戸642‐1 開園時間:9時30分~17時
閉園:月(祝日の場合は翌火)・年末年始(12月28日~1月4日) ペット不可


■戸定邸
☎04・362・2050
入館時間:9時30分~16時30分(17時閉館)
休館日:戸定が丘歴史公園閉園日と同じ
入館料:一般320円、高校大学生160円(戸定邸および戸定歴史館共通)、中学生以下無料
※現在、0のつく日(雨天および閉館日の場合は翌日)は戸定邸から書院造庭園の見学可能。ピンヒール不可。