亀山 守さん
ヘラブナ釣りの文化継承
こだわりの本格鶏料理「とり亀(き)」
市川市
「料理をお客様に一番美味しいタイミングで食べてもらいたい」と話すのは、市川市本八幡の鶏料理居酒屋「とり亀(き)」代表の亀山守さん(46)。同店を開店したのは2010年。
「開店はしたものの、飲食業界は思っていたより厳しく、お客様の笑顔が何よりの励みだった」。店は順調であったが、新型コロナウィルス禍になり完全にストップ。暗中模索の日々が続く中、記憶の底から思い浮かんできたのは父の影響で幼い頃からヘラブナ釣りに親しんでいたことだった。
「ヘラブナ釣りは今やプレー人口も釣り堀も減少しているが、ヘラブナ釣りの文化が縮小してきたからこそ継承すべき。釣りを教えることで親子のコミュニケーションの場を提供することや、初心者や子どもにも気軽に遊びに来てもらえる釣り堀にして、企業広告などを出せば、将来の顧客創造にも繋がるのではないか」と亀山さんは思った。
釣り堀にBBQやキャンプを組み合わせたリゾート事業をその一歩目としてスタート。都心から約1時間で行ける長生郡睦沢町の釣り堀を受け継ぎ、「他所がやれないことにこそ好機がある。縮小する市場の中で存在感を出したい」と強く思ったと言う。
こうして始めた「つりぼりresort resorta睦沢」は現在、緑に囲まれた池の畔でピクニックやキャンプ、BBQを楽しめる施設として利用者に喜ばれている。
「コロナ禍が収束しつつあり、鶏料理居酒屋の方はお客さんが戻り、結果が出てきているので、より価値のあるものを提供したい」と話す。
「とり亀」は会社帰りの飲み会の他、デート、接待などに使える個室もある。千葉県産のこだわりの食材を使用した本格鶏料理を提供、いつものオフタイムをちょっと贅沢に過ごすことが出来る空間だ。少人数から最大40名まで対応している。
焼き鳥には弾力があり食感に優れた香取市の「水郷どり」を使用。お勧め料理は17品目の焼き鳥のほか、野菜串、揚げ物、こだわりの親子丼など。「手間をかけた仕込みが美味しさの要」。備長炭を使用し、熟練の職人が焼き上げる。
「飲食事業もリゾート事業も人が集まる場所。酒場文化のようなものを作りたいと始めたが、その意義と役割を見つめ直し、今後も次のステップへと果敢に進んで行きたい」と亀山さんは言葉に力を込めた。
●次回は森無著(もりむじゃく)さんにバトンを渡します。