動脈硬化の予防と脳ドックの受診 

名戸ヶ谷病院 脳卒中センター

 10月29日は世界脳卒中デーです。世界脳卒中機構が設立された日を記念して設定されたものなのでこの日付自体は脳卒中という病気とは特に関わりはないのですが、だんだんと寒くなる季節の変わり目には脳卒中が増えるという話もあるので、私たちは脳卒中予防に関する啓発活動に一層力を入れる時期でもあります。脳卒中の予防方法はこの連載でも度々ご紹介しているので本紙の読者の皆さんはすでに十分理解されていると思いますが、改めてお話させていただきます。


 シンプルにまとめると「動脈硬化の予防」と「脳ドックの受診」が鍵となります。脳卒中の多くは脳の血管が詰まったり破綻したりして起きるもので、動脈硬化が原因の根底に眠っています。この予防には肥満の解消、禁煙、糖尿病・高血圧・脂質異常症の治療、定期的な運動習慣というのを徹底してください。ただし、ごく一部に動脈硬化とは関連性の薄い病気が原因となるものがあり、これらは脳ドック等のMRI検査で診断がつきます。

 脳卒中は決して「ポックリいける」病気ではなく、多くの場合とても辛い後遺症が生じます。そして、辛いのはご本人のみではなく、その介護を担うご家族の負担がとても大きい為、社会問題ともなっています。

 この負担は介護保険によるサービスだけでは十分には軽減できず、施設等に入所する費用をご家族が払うか、自宅でご家族が介護することになることが多いというのが現状です。禁煙や減量をするのは「誰かに言われたから」ではなく、自分のため、そして何より皆さんが愛し何よりも大切に思っているお子さんやお孫さんたちの負担を増やさないようにするためです。


 今一度、ご家族みなで集まって脳卒中の恐ろしさと予防の大切さ、予防方法について話し合ってみてはいかがでしょうか。

社会医療法人社団蛍水会 名戸ヶ谷病院脳卒中センター(新柏駅から徒歩約7分)
☎04・7167・8336