第6回 五月病にならないために 

自分のペースでだいじょうぶ

Q.私の娘は以前、軽いうつ病を発症しました。大学生活が始まって間もないころの五月病がきっかけでした。今年の春から社会人になりましたが、また五月病にならないか心配です。アドバイスをお願いします。(40代女性)

A.五月病のきっかけは、新しい仕事、転職や昇進、引っ越しなどによる環境の変化があります。そして、この時期は新しい人間関係の始まりでもあります。

 五月病の症状としては、無気力、朝起きた時からだるい、不眠、気分が憂鬱、物事の判断ができないなどがあります。


 症状が軽い場合に、五月病と言われますが、メンタルでの診断名は適応障害、うつ病、不眠症、パニック障害などになるでしょう。


 五月病にならないためには、4月から飛ばしすぎない、頑張りすぎないこと。真面目な人ほど頑張りすぎてしまい、限界まで突き進んでしまいます。完璧を求めることをやめて「これでいいじゃないか」と無理をせず、「ほどほどでいいじゃないか」と自分の現状や実力を受け入れる「受容」の気持ちが大切です。


 具体的な回避方法として、土日はしっかり休む、睡眠時間をたっぷりとる、運動などでリフレッシュ、好きな音楽や映画を楽しむ、小旅行、家族や友人との会話などをお勧めします。


 体が疲れているときは、物事を悪い方へと考えてしまうネガティブセンサーが働きすぎるのです。そもそもネガティブとは性格ではなく、睡眠不足などによる脳疲労と言われています。


 仕事でミスをして上司に叱られた、同僚から無理な仕事を押し付けられたなど、次々と感じるストレスを何個も溜めてしまい手遅れにならないように、一つずつストレスを解消していきましょう。


 お母さんとしては、新生活を迎えた娘さんの状態を見ながら、ぜひ話し相手になってあげてください。お母さんが「あなたは責任感が強いからね」と言ったとしたら、娘さんはますます「責任」というワードにこだわってしまいます。現在の状態や娘さんのこだわりそうなワードを言うのではなく、例えば過去に絵画で賞をもらったことや娘さんがしてくれたことでお母さんが嬉しかったことなどを話すものいいかもしれません。


 そして、言葉ではなく、娘さんの好きなおかずを作ったりお菓子を買ってあげたり、側に居てさり気ない寄り添いが、娘さんの気持ちを癒してくれるのではないでしょうか。


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