ときには「ヒラメキ」も
授業中には大まかに分けて二つの時間(目的・ねらい)があります。
一つ目は「理解」。説明や練習問題を通して、または語彙や資料を加えることで知識を深めていく時間です。
二つ目は「思考」。課題や設問に取り組んだり、仲間と話し合いをすることで深められます。
そしてこれらの力を確かめるのが定期試験です。「理解」の度合いについては知識問題や読解問題、内容合致問題など様々な形で定着を確かめます。
「思考」する力を確認するには、一般的に「説明しなさい」といった記述問題形式や、「A~Eの5人の生徒がテーマについて話し合っています。本文の内容に合致している意見を述べているのは誰ですか」といった会話形式などを用いて、思考の過程やまとめる論理展開などを答えてもらいます。
時にはさらにひねりを加えて「謎解き」の要素を入れた出題をすることもあります。授業で習得した基本的な原則を利用するけれど、通り一遍のやり方では正解にはたどり着けず、少しのヒラメキを必要とします。
ですから「この思考問題は時間がかかる可能性があります。必ず他の問題を解き終えた後に挑戦してください」と、但し書きを入れることも。
例を挙げてみましょう。
からころも(唐衣) きつつなれにし
つましあらば
はるばるきぬる
たび(旅)をしぞおもふ
伊勢物語の在原業平のこの歌には折句を使って妻への思いとともに「カキツバタ」の花が詠み込まれているのはご存知の通り。
では、次の谷川俊太郎さんの詩にふさわしいタイトルはどれでしょう。
あくびがでるわ
いやけがさすわ
しにたいくらい
てんでたいくつ
まぬけなあなた
すべってころべ
①本音メモ②嫌みノート
③挑戦状 ④恋文
ヒントは「カキツバタ」。正解は④!
■K太せんせい
現役教師。教育現場のありのままを伝え、読書案内なども執筆する。