GUNDA/グンダ

キネマ旬報シアターおススメシネマ

今回ご紹介するのはブタがブヒブヒ言っている映画『GUNDA/グンダ』です。


 ブタ、ニワトリ、ウシ。とある農場を舞台に映し出されるのは、そこに暮らす動物たちの生命の鼓動。母ブタGUNDAと生まれたばかりの子ブタたち。子ブタたちは必死に立ち上がり乳を求める――。

 最も革新的なドキュメンタリー作家と称される、ヴィクトル・コサコフスキー監督がずっと作りたいと思っていた地球を共有している生き物たちについての映画。『GUNDA/グンダ』ではナレーションや音楽を一切使わず、ブタのいびきや踏みしめる大地の音が立体的に浮かび上がり、モノクロの映像はビジュアルではなく本質的な生命が持つ美しさを感じることができます。普段目を向けることのなかった家畜たちの生活を覗き見ると、そこには私たちの想像を超えた世界が広がっています。

 ホアキン・フェニックスがエグゼクティブ・プロデューサーに名乗りをあげ、ポール・トーマス・アンダーソンやアルフォンソ・キュアロン等、世界の名だたる映画作家たちが大絶賛する『GUNDA/グンダ』。今まで味わったことのない究極の映像体験をキネマ旬報シアターでご鑑賞ください。お待ちしております。


(大野健志郎)