「井上猛雄 陶芸展」

イベント

杜のギャラリー海 成田市

6日~23日

 印西市に工房を構える陶芸家で、陶壁作品などで評価の高い作家、井上猛雄さん(72)の陶芸展が成田市のギャラリーで、6日から開かれる。今回は花生け、茶碗、皿など生活の器とオブジェなど約30点を展開する。「作品は大地と一体となって木と草と一緒にいるような気持になる。土のぬくもりを味わえる作風」と、「杜のギャラリー海」の小林順子オーナー。

まるで作品のような工房土間のうねり

 工房は印西市の印旛沼近くの自然豊かな森の中。井上さんが陶芸に興味を持つようになったきっかけや作品への想いなどを聞くために工房を訪ねた。

 「若いころ、アルバイトで貝塚や住居跡の発掘や調査を手伝っていた。資料作成のため、土器の破片を組み合わせて復元した絵を描くなど、そういう作業が面白かった」。その後、益子の陶芸家神谷紀雄氏に師事、陶芸の基礎を習う。

 「土間を見てください、人が通った跡の土のうねりがいいでしょう」。また、オブジェを持って、「数字とL字型の組み合わせ方、こういう風にねじれるところがいいね」と、実に楽しそう。

「作品は狙い通りにはいかない。製作してもほかの形になっていく。炎の加減によって作品は変化しやすい」。土は耐火に優れたものを使い、石を入れて荒くしているという。

 工房内に置かれたオブジェ作品は曲線や螺旋形を取り入れ、土俗的で古代を思わせる独特のフォルムが魅力的だ。器がどう使われているかを知るために、自らお茶を点てることもあるという。

 野山の自然の一部と化した工房で、井上さんが風の音や陽の光を感じながら産み出した作品を、ぜひ手に取って感じてほしい。

▽「杜のギャラリー海」京成線「公津の杜」駅から徒歩5分。白い貝殻が目印。12時~17時(最終は~16時)日・月・火・水曜日開催。成田市公津の杜3―7―21。

▽問☎090・6525・0833